2022年12月21日水曜日

童話サークルわらしべ

 【わらしべ通信NO.115

 

12月18日(日)

木枯らし吹き荒ぶ(すさまじく寒いっ!)西宮の片隅で、年内最後のわらしべ定例会を行いました。今日の参加者は10名、メンバーからのステキなクリスマスプレゼントのチョコとおこしをいただいて、様々な情報交換後、3作品の合評をしました。

低学年向けが2作、高学年向けが1作、どれも作者の良さと思いがこもった作品でした。

 子どもの成長や本心を丁寧に描く幼年物語は、いつの時代の子どもにとっても必要で、大切なものだと思います。ですが、書くのはとっても難しい! 幼い子にわかりやすく説明しようとすると、文章がまどろっこしくなって反対にわかりにくくなったり、状況や情景描写も的確に書かないと混乱させてしまいます。言葉選びも低学年がわかるものを吟味しなければなりません。高学年向け(YA)の作品も、抽象的な事を書く時は、それが読み取れるような表現が必要なのではないか、たとえつらい物語でも最後は救いがあったほうがいいのではないか、などなど……、メンバーみんなで頭を悩ませながら、それぞれの作品を良くするためのアイデアを出し合いました。

 

せっかくのおもしろいお話でも、読者に伝わらないと楽しんでもらえません。

でも、作者のオリジナリティーはなくさないように……!

今一度、読者である「子どもの目線」で書く大切さを、深く感じました。

 

 

☆わらしべメンバーの嬉しいニュースです! 

きくちさん、おめでとうございます♪  山下さん、読むのが楽しみです♪

 

●第49回 明石市文芸祭 児童文学の部 実行委員会賞受賞

「ぼくたちは進化する!」きくち しづ

 

●『謎解きホームルーム5』 新星出版社 12月25日発売

(「届かなかったメッセージ」 山下みゆき 掲載 )





(井上林子)

 

わらしべ通信NO.114の訂正とお詫び

先月のわらしべ通信NO.114掲載した、連絡先のメールアドレスに、間違いがありました。正しくは warashibe_gogo2012@yahoo.co.jp です。(既に修正済み)

大変申し訳ありませんでした。ここにお詫びして修正、再掲載いたします。

どうぞよろしくお願いします。





 

2022年11月27日日曜日

みらくるぺん

 みらくるぺん 

20221119日(土) 午後1時~4時

絵本テキスト勉強会 講師:楠 章子先生

ウィングス京都にて 

参加者8



 いつもズームでの合評をしてきましたが、久しぶりの対面です。メンバー全員(8名)が集まりました。

 今回は児童文学作家 楠章子先生をお迎えして秋の京都で絵本テキストの勉強会。

 事前の合評会で絵本テキストに取り組み、メンバー同士わからないながらも合評を重ねてこの勉強会に臨みました。 ただ、全員が絵本テキストについての知識がほとんどなく、手探りでの作品制作だったため、「これでいいのか?」との思いを持っていました。

 楠先生は、キャリーバッグにいっぱいの絵本をもってきてくださいました。そして開口一番「皆さん(の作品)はまじめ!」と言いながら、子どもたちに人気があるという「すっぽんぽんのすけ」(もとしたいづみ:作 荒井良二:絵 鈴木出版:刊)を取り出し、本を見せながら読んで頭をほぐして下さいます。そして文のおもしろさ、めくりの効果など、「そもそも絵本とは何か?」とお話が始まりました。


 作品は5作出ました。それぞれの作品に呼応するように既刊絵本を示しながら具体的に話を進めて下さいましたが、どの作品も「なぜ絵本テキストなのか?」と問われたように思います。絵童話にした方がいいもの、短編にした方がいいものもあるようでした。

 絵本と絵童話の違い。また近年はその境界が曖昧なものも出てきているとのことでした。

 心理的なものを描くときは童話の方が向いている、日本語を習いたての外国人に語るように書く、また、作品を読んだ読者が「わくわくどきどきするか?」を考えて書くことが大切とおっしゃったことは、これから先、物語を書いていくにあたり心にとめておかなければ、と思います。

 最後に楠先生もメンバーも「やっぱり対面はいいね」と言いながら勉強会を終えました。

 そしてその帰り道では、たくさんのことを教えていただいて、心を熱くさせて下さった楠先生への感謝をメンバーは口々に述べていました。

 12月に協会主催の「絵本テキストのコツのコツ」の講座を受講するメンバーもいます。

 今回の学びとともに、絵本テキストとは? を深めたいと思います。

                                               

                           文責:こうまるみづほ



<会員ニュース>

 「おてがみほしいぞ」(こうまるみづほ:作 丸山誠司:絵 あかね書房:刊)が

8回児童ペン賞童話賞を受賞しました。また、韓国語版が韓国にて発売となりました。








                                                  


2022年11月25日金曜日

童話サークルわらしべ

【わらしべ通信NO.114

120日(日)

 

会場のある私鉄の駅は、クリスマスシーズンをひかえてとても賑わっていました。

今日の定例会は欠席者が多く、8名参加で4作品の合評でした。

 

まずは、第14回日本新薬こども文学賞最優秀受賞作「ゆうちゃんのノーート」の絵本を朗読。あたたかいストーリーと、ぴったりのかわいい絵に感嘆! 次年度の募集も始まったので、是非、挑戦しましょうと声をかけ合いました。

ここで、絵本テキストの難しさについて話しながら、大いなる意気込みを語ってくれた会員は、気鋭の作家でもあり、いつもわらしべを盛り上げてくれています。

わらしべには、もう二人、活躍中の児童文学作家が会員として所属しているので、合評中は真摯に学ぼうとするみんなの息遣いが聞こえています。

 

さて、4作品を合評しました。

習作、冊子向けに仕上げる、公募する、などなど目指す方向を作者に確認しながら意見交換です。新たなアプローチから書かれた作品もあり、読み取り方もいろいろありました。長年共にいるメンバーなので、つい、書かれていない部分を補足して読んでいることも・・・わらしべのみんなは親切で優しいのです。

 

ということで、こんな私たちといっしょに合評会を中心とした創作の勉強をする仲間を

随時募集しています。

問合せ、見学希望などありましたら、

warashibe_gogo2012@yahoo.co.jp

までメールにてご連絡ください。

 

(藤谷 クミコ)

 

【会員のニュース】

山下みゆき

朝日小学生新聞20231月~3月「遠い山の見える庭2」連載予定

 現在202210月~12月「遠い山の見える庭」再掲載中





  

2022年10月18日火曜日

童話サークルわらしべ

 【わらしべ通信NO.113

10月16日(日)

 

10月も半ばとなりましたが、今日の西宮は日差しがきつく、クーラーをいれての合評会となりました。今回は絵本テキスト1作、中学年向き1作、高学年向き1作を熱く語り合いました。

自身の体験をきっかけに広がった発想が光るお話に、ファンタジックな主人公の設定や目指すものに対する考え方が問われるお話、子ども時代に想いを馳せたお話と……、3作品とも作者の気持ちがこもったものばかりでした。

読者である子どもたちがもっと楽しめる作品になるには、どのように推敲していけばよいか? 合評される側もする側も毎回本当に勉強になります。

わかりにくい部分をひっかかりなく通じる文にすること、登場人物たちの必要性、登場人物の行動描写や発言は物語の流れに本当にあっているか? 物語展開の背景(主人公に不思議なものと出会うだけの理由があるか?)、グレードはあっているか? テーマはぶれていないか? などなど、掘れば掘るほど深く難しくなっていく場面もあり、誰かの意見にうなったかと思えば、誰かのひとことでパッと新たなアイデアが浮かんだり、様々な発見がありました。

頷ける意見を拾って、頷けない意見も咀嚼はしてみて、試行錯誤しながら自分なりの物語の方向を見つけて……、あとは推敲を頑張る! のみですね!

 

☆嬉しいニュースです! わらしべメンバー萩原弓佳さんの新刊が発売されました!!

 

「5分間ノンストップショートストーリー」シリーズ

『夢見せバクのおまじない』萩原弓佳 PHP研究所




 

(井上 林子)




2022年9月23日金曜日

童話サークルわらしべ

 【わらしべ通信NO.112

 

918()13:0016:00

台風が近づいており開催があやぶまれましたが、どうにか雨にもふられず、10名で定例会を開くことができました。

 

今日の合評は3作。

いずれもファンタジーやSFといった非現実的な作品だったので、「ああでもない、こうでもない」とアイデアを出し合うのも楽しくて、いつも以上に盛り上がりました。

中でも若手ホープの筆力と勢いはまぶしくキラキラで、年長者たちは「ほぉ~」と感心するばかり。

伸び盛りの人を眺めるって、なんだが自分も若返ったような気になりますね。

 

私はスポーツに全く興味がないのですが、アスリートの活躍を見て「元気をもらう」というのはこういう気持ちなのかな、と思いました。

 

今回面白かったのは、

「怪奇現象なら多少の説明不足や分からなさは雰囲気で許せるけれど、SFならそれなりの理屈の通る説明や、構成が必要だ」という説が展開されていたことですね。

「霊ならありえるけれど、SFならありえない」と。

よくよく考えたらどっちもありえないので、作者の好きなように設定したらいいはずなんですが、でもやっぱり世間には、幽霊のイメージ、SFのイメージがあって、その役割を求められるんだなあ、と実感しました。

 

今月は私も作品を提出していました。

毎回、合評前は、「小さな修正点を指摘されるくらいで、大まかな書き直しに至ることはないはず」と思うのですが、大抵その期待はものの見事に打ち砕かれ、

「わあぁ、最初から全部書き直しやぁぁ」となります。今回もそうなりました。

わらしべメンバーの鋭い指摘には、毎回目からウロコがポロポロ落ちます。

しっかり書き直したい所存です。

 

わらしべメンバーはみなさんとっても魅力的な方たちなのですが、今月はいつもオシャレな方が、私の好きな「フワフワのフレアスカート」で来られていて、よくお似合いだったのでうらやましくなりました。足元もお洋服にぴったりのサンダルでしたし。

寒がりだからと夏も靴下とスニーカーで過ごした私とはちがいますな。

「やっぱ私もサンダル買おうかなあ」と思って帰りに靴屋さんをのぞいたのですが、街の靴屋さんはもうブーツが並んでいました。残念。秋のおしゃれさんを目指そう。

(萩原弓佳)

 




2022年8月29日月曜日

みらくるぺん

 みらくるぺん

2022823()13001630

オンライン勉強会

参加者 8名(新メンバーが一人増え、休会していたメンバーが復帰)

 

 

★合評前の連絡事項

 ・9月に予定している「沢田俊子先生、大塚篤子先生へのお礼&すず きみえさん、こうまるみづほさんの出版お祝い会」について

 ・11月 講師を招いて「絵本テキスト」勉強会を開催

 ・来年2月 童話サークルわらしべさんとの合同勉強会

 コロナ禍、知恵を絞って臨機応変に柔軟に、が、身に付きました。前向きに検討中!

 

★合評前に、今年1月に『おてがみほしいぞ』で単行本デビューされた、こうまるみづほさんから、出版に関する話を約1時間うかがいました。7年という年月がかかり、「もうだめなのかなあ」と、不安になったこともあったそうです。でも、「念願の出版がかなうようがんばるしかないと思った」と熱く語ってくださったお顔は、キラキラ輝いておられました。詳しくは、近日発行の「児童文芸・秋号 この一冊ができるまで」をご覧ください。

 

★絵本テキスト4作、幼年1作、高学年1

・絵本テキストは、まず原稿の書き方から疑問がわきます。また、めくり効果の使い方、ぶっ飛んだアイデアの賛否、テーマは必要か、等々、ああでもないこうでもないと語り合いましたが答えが出ません。11月予定の「絵本テキスト」勉強会が待ち遠しいです。

・幼年童話は、作者の実体験に基づく高齢社会がテーマです。子どもに高齢者の実態をどう伝えるか。井上ひさし氏のことばの一節「深いことをおもしろく、おもしろいことをまじめに」を思い出し、それには、キャラクターやモチーフを効果的に用い、キーワードとなる言葉を熟考してみれば、と意見が出ました。

・高学年は、外国が舞台の物語です。日本とは違う風習や制度、生活様式、街並みなど、五感で感じます。このまま寝かせておくのはもったいないと、メンバーが口を揃えました。そして、公募先などを検討しました。

 

次回は、9月に「お礼とお祝い会」で、久しぶりに皆さんと顔を合す予定です。

    11月 講師を招いて勉強会

 

黒田ふみ




 

 

2022年8月27日土曜日

近江ペンの会

 近江ペンの会 

令和4年8月27日(土曜日)  大塚邸にて 13時30分~16時まで 参加者4~7名

 先月の定例会は急遽お休みとなりましたので、久しぶりの対面での定例会となりました。
合評は3名の作品です。
 一作目は、ご自身の闘病生活を書いた記録作品です。作者は最初、書くことにためらいがあったとのことでしたが、大塚先生の「書くことは心を開放すること」というお言葉に後押しされ提出することに決めたということでした。
 
 二作目はバーチャルな世界の話でした。主人公のバーチャルな世界に対する興味の度合いが弱いということで、もっと詰めたほうがいいということでした。主人公の人物像を深く見直す必要がありそうです。
 
 三作目は、今まで、書き溜めた里山の作品を一主人公として書き直されたものです。登場人物の祖父が生き生きと描かれています。作者は子どものころ、ご自身の祖夫から教えてもらった知識を残したいという思いで書かれたということでした。
 先生からは「この作品は全体的に物語としての盛り上がりはないけれど、このような作品もいいかもしれない」とのお言葉でした。
 
 会員の多数の方が、書きたいことはあるけれど、なかなか結末まで持っていくのが難しいという声があがりました。そんな時は、物語のあらすじ?程度のものでも残しておくといいよ。と先生がおっしゃってくださり、とにかく書き続けることが大切だと改めて気づかされました。
 合評が終わってからは、久々の対面に皆さんの近況報告など、和気あいあいと話が弾み、名残惜しいなか会は終了しました。
 対面っていいな。皆さんからよい刺激をもらいました。   
 みんな、ネタは持っている!あとは、気分アゲアゲで……”さ・く・ひ・ん” 待ってるよ!!
  
                                  ムクダ由美




2022年8月24日水曜日

童話サークルわらしべ

 【わらしべ通信NO.111

 

821()13:0016:00

コロナ第7波、行動制限無しのお盆も過ぎました。夏休みで賑わう西宮北口周辺です。

8月のわらしべ定例会も対面での開催、参加者は10名でした。

 

コロナ禍もかれこれ3年になりますが、わらしべでは、宣言解除に伴いできるだけ対面での合評をすべく、集うようにしてきました。ここ半年は、オンライン無しで対面合評が出来ています。

 

協会の新企画である「サロン」について、現在の状況や予定を聞きました。他の同人誌の紹介や、他サークルの状況など報告していると、どうやら、わらしべ以外では、オンライン合評にシフトしているのではないかと気づきました。オンラインにも、多くのメリットがあり、やり方の工夫で充実できるのかもしれません。

 

さて、3作品の合評をしました。

幼年もの、中学年向け、絵本テキスト、とそれぞれ短い作品です。

幼年ものでは、リアルとファンタジーの場面が繰り返される是非、ファンタジー場面に共存するこどもとおとなの扱い方についての問題、主要モチーフの使い方。

中学年作品では、空想世界での体験において読者が知りたい具体的事象と、現実世界に戻った主人公の内面が、ともに欠落している問題。

が、指摘され、作者の頷くところとなっていました。

絵本テキストについては、作者の語るテーマとメンバーの受け取ったイメージのズレを互いに話しながら、なかなか深いディスカッションとなりました。

日頃、物語を書くことの多いメンバーです。絵本を想定して書くテキストにふさわしい文章の量、エピソードの数、といった問題もあり、答えは出ませんが、皆で集中して考えました。

 

時間に余裕があったので、執筆中の心の在り方などにも話が及んで、自分との違いにうーんと、うなったりなごやかなひと時もありました。

 

次月以降の合評作品をどんどん書きましょう! と発破をかけて解散となりました。そろそろ、「わらしべ5号」に掲載する作品にもとりかかりたいです。

(藤谷クミコ)

 

《会員のニュース》

藤谷クミコ    神戸新聞・おはなしの森 (第224話)

「オシロイバナのじかん」 8月14日、21日、28日、 の3回掲載





2022年7月19日火曜日

童話サークルわらしべ

 【わらしべ通信NO.110

 

童話サークルわらしべ

2022717()13:0016:30

参加者12名、欠席1名 晴れ

 

 暑い日が続き、コロナの第7波も懸念される中ですが、ライブで開催出来ました。

 

今後に予定するイベントの検討後、合評作品数が6作(2作は次回へ延期)という盛り沢山の定例会でした。中学年から高学年の作品につき、書き手の意図を合評ポイントとして確認してから、メインテーマの位置付け、視点の整理、キャラの個性がわかる動かし方、地の文とセリフの配分、メインキャラが受け身のままで終わらないためのイベントの必要性、読み手への意識、ラストのまとめ、タイトルの工夫、表現の細かな推敲まで、様々なコメントが交わされました。

 

 書き手の設定を活かしつつ、バリエーションとしての具体的な代案にはメンバーの個性が出て、リアルからファンタジーまで、作品世界を如何様にも広げていけることを再確認しました。

 

 時代的な社会事情と作品世界との距離の持ち方、タブーがあるのかについては、これからも継続的な課題になると思います。

 

 今回、作品の風景描写に必要な自然現象の事前確認を複数のメンバーが準備しており、合評への意気込みを感じました。学校現場の実態を把握しているメンバーからの助言や、図書館レファレンス制度の充実度の紹介など、創作現場の情報面でも学びが多かったです。メンバーの『ここだけは譲れないこだわり』の開示もあって、楽しい定例会でした。これからも各メンバーのこだわりポイントを楽しみにしています。

 

次回の定例会は、8月21日(日)の予定です。

                               (森木 林)

《会員のニュース》

★萩原弓佳  新刊 7/15発売

ラストで君は「まさか!」と言う~時空を超えて』(PHP研究所) 

 

児童文芸2022夏号 

「はい、こちらサークルです!」コーナーに、 【童話サークルわらしべ】が掲載 







2022年7月1日金曜日

みらくるぺん

 みらくるぺん

2022628()14001700

オンライン勉強会

参加者6名

 

 梅雨が明けて、日中は30℃を越える真夏日のような日が続いています。

 今回は、秋に計画中の講師をお呼びしての絵本勉強会に向けた絵本テキストが2作、幼年1作、中学年1作、高学年1作の計5作の合評をしました。

 

 絵本テキストは、両作品ともテーマやストーリーは、わかりやすく共感の持てるものでしたが、本文と演出メモのバランスや場面割り、めくりの効果についてなど、絵本テキストの書き方が議論され、具体的にはよくわからず、今後の課題となりました。

 幼年向け作品は、まず主人公が動いていない、キャラクター設定の見直しと展開に起伏を持たせること。エピソードを増やすより、細部の書き込みを丁寧にいれるなどのアドバイスがありました。

 中学年向け作品は、戦争をテーマとして、まほうを絡めたため却って伝わりにくくなっていました。読者が作品を読むための知識のいれ込みや、過去の事実を登場人物の誰がどう伝えるかなどを考え工夫してみることが提案されました。

 高学年向き作品は、後で種明かしをしたときの驚きのため、伏線の張り方を工夫する。用いる小道具と時代性をどうするかなどについて意見交換しました。

 

 合評後は、検討事項の話し合いをしました。

・コロナ禍で延期だった すずきみえさんとこうまるみづほさんの出版お祝い会

・10月の講師をお呼びしての勉強会

 

□メンバーの活動紹介

 こうまるみづほ 『おてがみほしいぞ』(あかね書房)が、先生のすすめる夏休みすいせん図書と第55回夏休みの本(緑陰図書)に選ばれました。協会のホームページ「会員からのお知らせ」コーナーに記事が紹介されています。

 

次回の勉強会は、8月23日(火)の予定です。

                               小郷文子

 




2022年6月22日水曜日

童話サークルわらしべ

 【わらしべ通信NO.109

 

6月19日(日) 梅雨の晴れ間

 

しばらく休会していたメンバーが復帰し、拍手で定例会が始まりました。

先月から検討している「サークル交流合評会」については、有難いことにお声がけをさせていただいたサークルから快諾をいただきました。少しでも有意義な交流会にする為に、一同張り切ってさまざまなアイデアを話し合いました。実現するのはまだまだ先になりそうですが、今からとても楽しみにしています。

 

合評は3作品でした。

そのうち中学年向きの1作では、先月に引き続き「人称と視点」について重点的に見ていきました。主人公の背中に背後霊のようにカメラをつけていると思えばいいと言う、あるメンバーの「三人称一元視点」の説明に笑いが起こっていました。

高学年向きの作品では、「読者が○○する結末」という観点に絞って、どうすればいいのかを、全員で頭をひねって考えました。

中学年向きのもう1作は、私の書き直しの作品でした。主人公は、主人公自身の行動で成長させるべし! とうに分かっていたはずなのに書けていませんでした。よし!また書き直すぞ。

 

わらしべは会場も比較的便利な場所にあり、合評に充分な人数もいます。

この恵まれた環境に感謝しつつ、恒例の定例会を終えました。

 

(担当:きくち)

 

 

 



2022年5月22日日曜日

とんとんぼっこ

 このたび、会員減少、会員諸事情により、とんとんぼっこは解散することになりました。

2014年に発足して以来、8年間活動することができました。

沢田俊子先生にはたびたびお越しいただきました。楠章子さんを講師に迎えもしました。

岡山のサークル「ももっこ」からの参加もありました。

中山聖子さん、黒田志保子さんも参加してくださいました。

メンバーのみんなは遠くからよく通ったものだと思います。

京都の童話塾、滋賀の大塚篤子先生宅の合宿にも参加しました。

子どもが手を離れてからが、わたしたちの青春でした!

合評会も、最初のころとは見違えるように、確信をついた意見が出るようになりました。

もちろん、創作のレベルはぐんとアップしてきたように思います。

みんなの力が合わさって、ここまで会を続けることができたこと、本当に有難く思っています。

児童文芸家協会の方にも大きなお力添えをいただきました。

お世話になった方々には、本当に感謝ばかりです。

どうもありがとうございました。


今日は4名で最後の合評をしました。

2015年に開催した会員募集のイベントに足を運び、入会したメンバーの原稿です。

別れの決まっている短い出会いを通し、心に力をもらって前に進む少女が描かれています。

改めてメンバーの、8年間の成長に感じ入り胸が熱くなりました。

とんとんぼっこで出会ったみんな、ありがとう。元気でいてね。


2022,5,21

とんとんぼっこ 巣山






2022年5月18日水曜日

童話サークルわらしべ

 【わらしべ通信NO.108

 

515日(日)

本日の定例会は、11名が参加しました。そして年に一度の「わらしべ総会」からスタートです。

まず前年度の会計報告、活動報告がありました。また今年度の活動についても検討しました。そのなかで、「他のサークルとの交流合評」の企画提案がありました。

実現したら、新鮮な意見や刺激を頂けると思うとワクワクします。

さらに、「わらしべ5号」についても、年度内に予定を立て始めましょうということで、お尻をバシッと叩かれたような気がしました。

 

合評は2作品。どちらも中学年向けの短編でした。

1作目は、先日開設された「わらしべ お悩みフォーム」に「人称と視点について」の書き込みをしたメンバーの作品でした。

相談内容を踏まえた合評は、とても具体的で分かりやすく勉強になりました。

他の「わらしべ お悩みフォーム」に書かれた内容についても、みんなで話しました。

コロナ禍で、集まりにくいメンバーもいる中、オンラインを使って共有できる方法として今後も継続予定です。

 

2作目は、作者自身の「読み聞かせの活動」を彷彿させるものでした。

とても面白いテーマだけれど、登場する本の著作権の問題が発生するのでは? という心配が出ました。

残念ながら作者は、ご都合により、この日をもって退会されます。

寂しいけれど、わらしべ会員一同また会えることを願っています。

(担当:つじ)

 

 




2022年5月11日水曜日

みらくるぺん

 みらくるぺん、

2022426日(火)14001615

オンライン勉強会

参加者6

 

大きなランドセルを背負って登校する新一年生の姿が初々しいこの頃です。

みらくるぺんも新学期で今回から絵本テキストに挑戦の予定でしたが、童話と絵本の書き方の違いにとまどいがあり、合評作品4作の内、絵本テキストは1作でした。提出した会員は、『児童文芸121月号』に掲載の「児童文学塾・絵本テキストを書こう!」を参考にして、見開きページ毎に本文と演出メモを書き分け、絵本のめくりの効果を確認しやすいテキストになっていました。

 

長年寝かせて改稿した作品には、バックグラウンドも今の時代に沿って考慮する、との指摘が出ました。具体例として、ジェンダーフリーの視点、そして、昔話も今の時代に合わせて変わってきている(桃太郎の犬、サル、キジが家来でなく仲間)などの情報も共有しました。また、創作する動機になったエピソードが、伝えようとするテーマを薄めてしまっていることに気付いたり、寝かせていた作品に改稿できるヒントを発見したりすることもありました。だれかの発言にみんながハッと気づく瞬間を共有することは、まさに合評冥利につきるといえます。

 

事前に感想を送り合い、作者が質問を投げかける形で合評を進めていくと、メンバーがオンラインに慣れ、少人数のせいかもしれませんが、対面とあまり変わらない意見交換ができるようになってきています。また、Zoomの有料版を利用すると途中で繋ぎ変える手間もありません。

コロナ禍当初の対面できない絶望感が希望に変わっていく体験をしているようでもあり、合評後の情報交換も楽しいひとときでした。

 

 

*メンバーの活動紹介、

 赤木きよみ 「ようちえんのカバン」神戸新聞・おはなしの森(第219話・3月)に

3回連載

   〃   「第38回 日産童話と絵本のグランプリ」佳作

 

次回は628日の予定です。

 

   鬼村テコ





2022年4月25日月曜日

とんとんぼっこ

 前回2月の合評会もリモートだったので、4か月ぶりに顔を合わせての合評会でした。

参加者は4名。作品の提出は2作でした。

久しぶり~!と、まずは近況報告。還暦間近の3名と、それよりもうちょびっとだけお姉さん。女ばかりが集まると、話題にことかきません。子育て世代から卒業したと思うと、親の介護や家族の病気……。この世代は弱っていく家族のために、時間を割くことになるのです。

みんな大変だったね、がんばってるね……と話を聞いているうちに、すでに1時間が過ぎていました。あらら。

提出作品はいずれも短編でした。

1作目は短編にかかわらず、じつは主人公がふたりいました。

作者は特殊なキャラクターの方を主人公に設定していました。ところが合評しているうちに、主人公はもうひとりの人物であることがわかってきました。

劣等感をもってもがき、失敗の中から成長していく人物。その人物を教え諭すキャラクター。

物語の主人公は情けないほうです。

2作目の絵本のテキストには、つぎつぎと登場人物が出てきますが、似たようなキャラクターについて、これはいる?いらない?と意見が出ました。


次回の合評会は5月21日(土)を予定しています。

(巣山)





2022年4月24日日曜日

近江ペンの会

「近江ペンの会」

2022年4月23日(土)13:3015:20  

参加者9名  合評 2作品(2名分)

京都から長浜まで車の運転席から見る琵琶湖は穏やかであったが、黄砂のせいかどんよりと曇り、湖と空の境界線が淀んで対岸も見通せず今の世の中を見ているようでハンドルは重かった。

今回は対面式で、同人誌「四角い卵」4号にむけての最終校正と2作品の合評を行った。

作品1は前回の書き直し作品。時代の経過とともに失われつつある身近な自然を、里山に住む筆者が確かな観察眼と伝統知をもって作品に仕上げたもの。

子供達に伝えたいという意欲を感じさせる。例会参加者は、いつもこの作者の作品を読むと自然に関する新しい発見があり、今回も「へぇ~!それは知らなかった!!」と意外な事実にみんなで感心する場面もあった。内容に関しては、豊富な知識と情報という点では十分であるが、多くありすぎて作者の主張やテーマがぼやけてしまった。言葉の選び方、表現の仕方に注意を。事実と物語のバランスのとり方が難しい。

作品2は、世の中が目まぐるしく移り変わり、かつて我々が経験したことのないことが次々と起こる昨今、自分の経験を通してその時に思ったことを書き留めておきたいという動機で書かれたみずみずしい感性と願いを込めた作品。エッセイ風になり、日頃の作者の作品としては完成度がやや低く、目線の一貫性に欠けるのではという指摘などもあったが、次の作品へのもとになる貴重な体験によるものとして、今後十分活きる作品であるとの力強い意見に参加者全員頷いた。

先生からの御紹介 「書けない時の書く方法」

頭の中のもやもや→単語の形で書きだす。→思いつくだけの単語を記し、眼にみえるようにする。→その単語を用いて簡単な短い文を作る。→いくつかそれらを並べることであれこれ考えて文を膨らませる。→一つの長い文章を作る。

(沢木耕太郎著「銀河を渡る」の中の「すべて眼に見えるように」というエッセイより)  

これはお宝でした‼

文責 うええもん





 

 

 

2022年4月20日水曜日

童話サークルわらしべ

 【わらしべ通信NO.107

 

417()、定例会を参加者9名で定例会場にて行うことができました。 

 

5月定例会はわらしべ総会ということもあり、前半は次年度の勉強会開催など、活動予定について話し合いました。コロナ禍を踏まえ、講師をお招きしての勉強会は見送ることとしました。それにかわり、わらしべの各会員の課題について、随時解消していく一年にしようということになりました。

わらしべには、初心者も、公募の受賞歴のある人も、作家となって活躍中の人も、幅広く在籍しています。それぞれの立場から、次年度も実りある創作活動につながることを願っての話し合いとなりました。

 

後半は、幼年対象1作、小学校中学年対象1作、YA対象1作の3作品を合評しました。

今回は、「子どもの読み物」として、わかりやすいのか、伝わらないのか。伝わらないのであれば、伝わるように説明が必要ではあるけれど、説明文にならないように書き入れるということがいずれの作品にも共通してでました。

 

児童書という読み物は、おとなの読むものと違い、小さな器だから、そこになにをどうのせるかが大切、という言葉が、とても印象に残りました。

枚数や対象によって、何人の登場人物にするのか、オムニバスにしていくのか、など各作品について具体的な話し合いとなりました。  (担当:うすだ)

 

 

【会員のニュース】

萩原弓佳 「児童文芸」 2022年春号「i…もしも?」コーナーに 「創作仲間」掲載