2018年6月28日木曜日

わらしべ

【わらしべ通信 NO.64】

6月17日(日)定例会
今回は動物モノ、友情モノ、擬人化モノなど5作品で、いつものように順番に合評が行われました。伝えたいことを絞る、説明的にならない、視点を明確にする、主人公に主体性を持たせる、タイトルを工夫するなど、いろんな意見が出ました。
こうして改めて書き出してみると、基本的なことが少なくありません。

1人で書いていると、(私を含め)どうにも基本を忘れてしまう、もしくは守るべきことが見えなくなってしまうのですね。そのためにも他者に読んでもらうことは大切です。
とはいうものの、何でもかんでも盲目的に取り入れるのは危険です。作者は四方八方、上下左右から放たれるさまざまな意見を取捨選択しなければなりません。何を捨てて何を拾うか。その基準は各人に委ねられるのですが、それがしっかりとできていないと作品は
とっ散らかってしまいます。個性も薄れてしまうでしょう。実際、個人的な感想ではありますが、「前回のほうがよかったのになあ」と思える作品もあります。いずれにしても、自分の中に設けたフィルターをより精度の高いものにするためにも、日々の鍛錬は欠かせません。

2045年前後にはコンピュータの能力がシンギュラリティ(技術的特異点)に到達し、人間の知能を超えてしまう、という予測もあります。いずれ、子どもたちがキャッキャと喜ぶ面白い童話をさくさく作成してしまうAIも登場することでしょう。そんな未来に負けないよう、自分にしか書けないものがたりづくりに精を出しましょう!
てなわけで、わらしべメンバーも、今日も元気に(たぶん)「書いてます!」
                                                                                                                (担当 中井たかし)




【会員のニュース】
萩原弓佳さん 【3分間ノンストップショートストーリー】アンソロジー続巻発売
ラストで君は「まさか! 」と言う たったひとつの嘘 (PHP研究所)





2018年6月25日月曜日

とんとんぼっこ

作品をみんなに合評してもらうのは、ありがたい反面、苦しみも生まれます。

自身で何度も書き直し、公募の締切りを目前にした作品では、なおのこと。おもいきった変更の提案には頭をかかえ、耳をふさぎたくなるのです……「きゃー、やめてぇぇぇ!」

というわけで、今回はホラーも多く提出されました。

絵本になることを前提としたホラー作品を合評するために、その人の原稿に絵をつけて、絵本に仕立ててくれたHさん。「今のままでは、絵にする場面が少ないのではないか」という彼の意見には、大変説得力がありました。

沢田俊子先生がよく、みんなの意見は両てのひらにうけて、指のあいだから落とすねんと言われていました。自分に必要な意見をうまく取り入れ、また、取り入れないことにするのも大事。原稿を数日寝かせておいて、新鮮な気持ちで読み直すと、わかってくることもあると思います。……が、寝かせているあいだに締切りが刻一刻と。ぎゃー!



次回、とんとんぼっこの合評会は8月25日(土)を予定しています。

                                 (巣山)

2018年6月7日木曜日

だんでらいおん

だんでらいおん

5月26日(土)12時半から、協会事務局にて合評会を行いました。今回の参加人数は4人。ただ、そのうちの1人は電車のトラブルで2時間半遅れての到着(甲府からの特急列車に缶詰!お疲れ様でした)、また早めに帰られた方もいて、実際には3人で合評が行われました。少人数のおかげで時間に追われることがなく、じっくりと意見交換ができました。特に盛り上がった話題は、私達書き手の子供の時のことが、今の子供達には当てはまらないということです。
例えば、放課後に公園で大勢で遊んでいる場面は、今ではあり得ません。今の子供達の生活に即した場面設定にし、昭和っぽくならないように注意しなくてはいけないと戒め合いました。
3人だけで、のんびり和やかにすすめられた会でしたが、やはり、より多くの方々から様々な見方による意見を伺いたいと思いますし、より沢山の作品を読ませて頂きたいとも思います。
そこで、今回の参加者と代表者とで、次回の合評会を「皆が参加できそうな日に!」と検討しました。
だんでらいおんでは、3か月毎の月の何れかの土曜日に合評会を開いています。けれども、8月や10月はお子さんがいる方の学校の行事があり、今年の9月は児童文芸主催の講座があります。そこで、ずいぶん先になりますが、開催は11月10日と決めました。各々の都合を考慮すると、3か月毎に開くのはなかなか難しくなりますね。次回は、なるべく多くの方が集まりますように……。

~各自の活動報告~

*『今日は何の日?366 偉人の誕生日から世界の歴史、記念日まで』(PHP研究所)
これは、歴史・行事・記念日・はじめて・人物の分類で、その日がどのような日なのかを紹介する一冊です。
真山みな子さんが、366話の内、30話を執筆しました。


*児童文芸書きおろし童話展2018(6月11日~6月18日)に、わたなべちとせさんが出品します。
作品名『しんまいおまわりさんハードとテリーとなぞのぶったい』(作・絵)


                                  野城裕子



2018年6月4日月曜日

わらしべ

【わらしべ通信NO.63】


5月20日(日)、本日のわらしべは総会+顧問・沢田俊子先生のご挨拶+定例会と盛りだくさん。
時間に追われながらも皆で考え、発言し、とても充実した集まりとなりました。欠席者は1名。

総会は、29年度の活動報告、会計報告、監査報告が滞りなく終了。30年度の活動計画案、予算案も無事了承されました。30年度はわらしべ3号の発行が予定されているため、それに向けた役割分担、スケジュールなどについても話し合いました。

次に沢田先生のご挨拶と、皆からの発言の時間がありました。(後述します) 

さて定例会です。今回は9作品でした。
時間が足りず後半は駆け足となってしまいましたが、「時間が足りない」という制約が「大切なことだけ言わねば」という意識になって、全体の内容はとても濃い、良い勉強会になったと思います。

重要なポイントは
・ファンタジーならとことん「突拍子もない展開」にこだわるべき。
 子どもの想像を超える「面白さ」を追求し、子どもに「展開が想像できる」と思われてはいけない。

・書きたいことをつめこみ過ぎると、結果的に「展開が急すぎる」ことになるので、書きたいことは絞ったほうがよい。
・沢田先生が大切にされていること「起承転結、おまけに1つ」結のあとに余韻を。

・いい人は面白くない、困った人を主人公にするとよい。

・説教くさいのはダメ。大事なことは登場人物に言わさない、読者に感じさせる。

・書き過ぎない。頭に浮かんだことをそのまま書かない。導入は特に謎を引っ張るようにして読者の気をひく。
です。

今回はわらしべ3号に向けて、2回目、3回目の書き直し作品を提出した人が多く、作品レベルが高いなあと感じていたのですが、それでもこれだけいろいろ改善点があるなんて創作って本当に奥が深いですね。今日の結果をもとにさらに個々の作品が洗練されていくのかと思うと、今からわらしべ3号の完成が待ち遠しいです。

  (担当:萩原弓佳)


【わらしべ顧問沢田俊子先生のご引退について】

わらしべ顧問として発足より5年半、会のために多方面からいろいろと考えていただき、
会員ひとりひとりにも惜しみなくご指導をいただいてきました沢田俊子先生が、
今月を以てご引退されることとなりました。
私たち一同にとってはとても寂しく、心の支えを失うような不安の中で、この日は先生
よりお言葉を頂戴し、作品の合評もしていただき感慨深い時間となりました。
わらしべメンバーは皆、先生をお慕いしており、まだまだ教えていただきたいことがたくさんあるので、今後もご都合がつく際はご指導いただけるよう心よりお願い申し上げました。
先生に育てていただいたわらしべが長く続きますように、また先生へのご恩返しとしていい作品が書けますように、わらしべメンバーが羽ばたけますように、今後も皆で精進していきたいと思います。
 沢田先生、本当にありがとうございました。     (代表:藤谷クミコ)

  
(沢田俊子先生と皆で記念にパチリ!!)

「わらしべ」を立ち上げて、早いもので五年半が経ちました。
その間、たくさんの人たちの入れ替わりがありましたが、
藤谷さんを始め役員のみなさんの努力のおかげで、安定した理想的な勉強会になりました。
メンバーに井上林子さんや萩原弓佳さんという作家も加わったので、ここらでバトンタッチさせてもらうことにしました。
お互いに卒業です。卒業しても縁が切れるわけではないので、見守っていきたいと思います。
「わらしべ」の中から、いい作品が羽ばたきますように。

                                                                               沢田俊子