2015年9月25日金曜日

童話サークル わらしべ


【わらしべ通信 №32】

9月20日(日)
くりやおいもが、おいしい秋になってきましたね。

今日の合評作品は、詩(童謡)、幼年もの、高学年もの、全部で6作品!
どの作品も目の付け所がよく、よい発想だな~と思うものばかりでした。
新たなジャンル、新たな書き方、新たな枚数に挑戦している方もいました。
「こういうことを描きたいんだ!」という気持ちもヒシリと伝わってきました。
でも、「こういうこと」がすごく難しいんですよね……。

詩については、よみもの以上に、聴覚から得られる「リズム感」と、言葉から得られる「映像」を、どれだけイメージさせられるかが大切なのではないか、という意見が出ました。詩は人それぞれ好みがあると思うので合評するのは難しいですが、「言葉一つ一つが宝石だ」という意見が印象に残りました。また、よみもの同様、子どもの目線になること、子どもに伝わるように書くことは同じだなと思いました。

幼年ものについては、描写や設定をていねいに描きすぎるのは、小さな読者にとってはじゃまなこと。「物語は『幹』と『枝』と、『少しの葉っぱ』でいい」という顧問の沢田先生のアドバイスが心に残りました。書きたい事はたくさんあるけれど、それをいかに削るかが大事。幼年ものに、「うっそうとした葉っぱ」や、「小鳥」や、ましてや「枝にひっかかった風船」など余分な描写はいらない。何の木のお話なのか、はっきりわかることが大切……ということだそうです。

反対に、高学年もの(中編や長編)は、細かい設定をきちんと決め、「小見出し」をつけて、しっかり構成を立てなければいけない。ながら書きでは、物語の全体像がつかみにくい。「登場人物にストーリーを運ばせると楽」というアドバイスに、何度もうなずいてしまいました。物語の対象者、物語の長さによって、どのような言葉を使い、どのような文章の濃さにすればいいのか、改めて考えさせられました。
 これからどんどん寒い日々になっていきますが、みなさん心も体もあたたかくして、元気でいましょうね♪
 (担当:井上林子)

2015年9月14日月曜日

みなさまへ


サークルのみなさま、お元気ですか?
ブログのアップ、毎回、楽しみに読ませてもらっています。
とんとんぼっこのサークルブログがアップされたばかりですが、その後、代表の巣山さんが、メンバーに送った「とんとんぼっこ通信」が、
とてもおもしろく、創作の参考になるかと思いますので、巣山さんの了解を得て、アップさせてもらうことにしました。
みなさまも、いい情報がありましたら、ここにアップしてくださいね。
ますますのご活躍を。


                                                       組織委員長 沢田俊子




「とんとんぼっこ通信より」
みなさま


先日のとんとんぼっこランチ会&合評会の様子を、児童文芸家協会のサークルブログにアップしてもらいました。

↓↓下のブログ



今、瀬田貞二著『幼い子の文学』を読んでいます。

幼い子どもを惹きつける話の類型、創作への生かし方など、参考になります。名作は、どこが名作なのかの説明に、目からうろこです。

なぞなぞ、童唄の項には、言葉のおもしろさに気づかされ、子どもの世界の広がりや深さにわくわくさせられます。

本の中に、トールキンの『ホビットの冒険』に出てくるなぞなぞが紹介されているのですが、衝撃的です。



どんなものでも 食べつくす、

鳥も、獣も、木も草も。

鉄も、巌(いわお)も かみくだき、

勇士を殺し、町をほろぼし、

高い山さえ、ちりとなす。



これ、何だかわかりますか?

答えは最後に書いておきますね。



「だめな幼年童話の五つのタイプ」というおそろしい項目もあります。

1、          ぬいぐるみ派…出てくる森の動物たちに、全く生命がかんじられなくて、ぬいぐるみの域を出ない。

2、          あこがれ派…美しい王女さまが、というふうな書き出しで、ロマンチックなムードを漂わして、にぎやかにキラキラと展開するが、最期は夢でしたということになる。

3、          涙派…病気の少女が、というやつ。兄弟をなくし、両親とも死に分かれ、悲しい悲しい結末になる。おセンチ。

4、          作文派…子どもたちのある一日のスケッチ。とらえ方が図式的なので実在感がいかにもうすい。次元を変えて発展するふうなところまで入っていかず、つまらない。

5、          アクション派…漫画で育った人たちの手法か。とっぴな事件がひょこひょこ出てくるが、必然的なところはひとつもない。文章は、「ワーッ」とか「キャーッ」とか、やたら騒々しい。  
      騒々しい音響と刺激ばかりでしりつぼみ。



では、来月10月24日のとんとんぼっこでお会いしましょう。

巣山ひろみ



なぞなぞの答えは、「時間」です。

2015年9月11日金曜日

とんとんぼっこ


9月5日にメンバーでランチ&合評会をしました。
じつは、今回はランチ会だったのですが、メンバーから、集まるなら合評もしたい!と声があがり、急きょ合評もすることになりました。
発足時、合評会は季節ごとの年4回開催の予定でしたが、プチ合評会や勉強会を含めると、なんだかんだと1、2か月に一度は集まって合評会をやっています。
今回の提出作品は、前回7月に出された作品の書き直し2編を含む、計3編でした。
3編とも、不思議なことが起こるファンタジーの短編。
「不思議」はいつ、なぜ起こるのか。そして、なぜこの主人公に起こったか。
今回の3作品は、そういうことを考えるきっかけになりました。
作品の中に不思議なことの起こった必然性についての意見が多く出ました。必然性を突き詰めていくと、作品のテーマがよりくっきりとしてきました。
3作品はそれぞれ、これからもっと、深みの増した作品になっていくように思います。
合評会のあとは、会場の近所のカジュアルレストランでランチしました。なかなか居心地の良いお店で、話はつきず。人生も半ば過ぎて、新しい場所(とんとんぼっこ)にとびこむのは、それぞれに想いのあること。ずしりと響く話や、楽しい話などたくさん聞けて、良い時間でした。
次回のとんとんぼっこ合評会は、10月24日(土)の予定です。
                             (巣山ひろみ)