2019年3月29日金曜日

わらしべ通信

【わらしべ通信 NO.73】

冊子「わらしべ」3号が完成しました!
会員による15作品と、元顧問・沢田俊子先生のお言葉を掲載しています。
何度も合評して書き直した作品の数々、冊子を手にしたメンバーはとてもうれしそうで、いい笑顔でした。


 さらに、今回はうれしいお知らせが二つもあります。
・メンバーの山下みゆきさんが「朝顔のハガキ」で「朝日学生新聞社児童文学賞」を受賞!
・中井たかしさんが「ヤキソバ王国のお客さま」で「日産童話と絵本のグランプリの童話部門」の佳作入選!
山下さん、中井さん、おめでとうございます。
二人は今後ますます、他のメンバーも二人に続くように努力を重ね、児童文芸界に「わらしべ」の名を広めて行きたいと思います!!

そして今回はまだ素敵なことがありました。
3号完成ということで、元顧問の沢田俊子先生が定例会にいらしてくださいました。さらにスペシャルゲストとして嘉成晴香さんをおむかえしました。
嘉成さんの登場は「童話塾in関西」で仲良くなったメンバーが「遊びに来て!」とお願いして実現したものです。
お二人の的確なご意見をいただいて、今回の定例会はいつも以上にピリリとした内容の濃いものになりました。








本日の合評は4作品です。
・高学年向けの「社会問題」を扱ったものは、その問題の取り扱い方について議論になりました。事実をつきつめてノンフィクション風にするのか、主人公の内面を追って物語風にするのか。作者が「何を伝えたいか」が大切だと改めて思いました。

・作者が自分の体験談をもとにしたお話では、ただ体験を書いただけではダメで、体験したことを下敷きにおもしろい「物語」にしないといけない。沢田先生が「ここいらない、この部分も不要! もっとシンプルに!」とバッサバッサと作品の余分な部分を切っていくのが、大変懐かしかったです。出だしはシンプルなのが一番ですね。

・低学年の男の子の「成長する瞬間」を書いたお話では、タイトルと、内容と、作者の書きたいものとのズレが指摘されました。
『桃太郎』というタイトルなら、桃太郎が活躍するおはなしだと読者は期待してしまう……(そうでなかったら、読者は迷ったり、肩透かしをくらってしまう)ということです。

・人でないモノが主人公のお話では、そのモノにしては当たり前だけれど、人間だったら大問題の扱いになってしまうエピソードに関して、主人公に感情移入している読者にとっては「どこまでが許容範囲」なのか、が問題となりました。むずかしいです。

合評の後は、「わらしべ」3号完成記念懇親会です。
みんなで楽しくお酒を飲み、たくさんおしゃべりしました。
(担当:萩原弓佳)

【会員ニュース】
井上林子さん「神戸新聞」2019年3月「おはなしの森」4回連載(3/10・17・24・31 日曜日版)「ウタちゃん うさぎ」


【わらしべ3号について】A5版134ページ
ご希望がありましたら、1冊(680円:送料込み)にて送付いたしますので
メールにてご連絡ください。warashibe_gogo2012@yahoo.co.jp 藤谷クミコまで

   










2019年3月18日月曜日

近江ペンの会

2月23日(土)今年2回目の例会が開かれました。
出席者11名、合評作品は3話でした。
珍しく良い天気でしたが、吹く風は冷たい2月のそれでした。
最初は先月に引き続き「四角いたまご」第3号の相談でした。印刷屋さんに調査に行ってくださったMさんお二人の結果を聞いて、A4サイズの2段組みに決まりました。次の例会3月23日までにA4 2段組みで作品を作ることになりました。
合評作
ひとつめは、Oさん作「星降る夜の集会」題からして何かワクワクしてしまいました。
ふたつめは、Mさん作「ぞうきん ばあちゃん」湧きいずる泉の如く色々な作品を書かれています。
みっつめは、Hさん作「霧につつまれた夏」どこかしっとりとした作品を書かれます。
大塚先生のご指導は、次のような点でした。
・書き直しは0から書くつもりでする。
・作品を書く時 誰の目線で書くか決めたら最後までその目線で書くことが大切。
・余分な情報は書かないで、省略することも大事。
・先生と生徒の会話について、作中では、生徒が先生にため口で話すのはどうかと思うので、関係をふまえた言葉遣いをする。
その他、作中で書かれた“もんぺ”に関して“モンペ”と書く言葉もあるとは初耳でした。
もんぺとは和風作業ズボンで、多くは木綿の紺がすりで作ったものと思っていました。そのもんぺを今でも街中で売っているお店があるらしいことや、今の人はもんぺを知っているかどうかとか話題になりました。Kさんは、お母さんの絹の着物で仕立て直したもんぺをはいていたところ、疎開先で、いじめられた話をされました。
戦中戦後の、物のない時代が思い遣られたことでした。
もうひとつの片仮名のモンペとは、モンスターペアレントの略で、今時は、その意味で使われているとの事でした。
世代の差を感じたもんぺ談でしたが、もんぺの時代を少し懐かしく思い出しました。
                                辻




2019年3月11日月曜日

だんでらいおん

2月23日、12時半から行われた合評会のご報告です。
今回参加したのは、新メンバー2名含む7名。
事前にメールで頂いていた2作品と、当日持ち寄った4作品の、計6作品が集まりました。
作品のジャンルやテーマは異なりますが、どの作品も登場人物が目に浮かぶように生き生きと
描かれているのが印象的でした。
具体的な意見が飛び交う中で、物語がさらに深く展開していく場面もありました。

私は前回からだんでらいおんに加入させて頂き、童話の執筆経験も浅いのですが、皆さんの一言一言が新鮮で、とても勉強になります。
自分の書いたものを読んで頂くのは緊張しますが、一人ではまったく気付かなかった視点に
出会えるので、大変ありがたいです。

帰りはカフェに立ち寄り、公募や原稿持ち込みの話題などで引き続き盛り上がりました。
ぽかぽか陽気の日中と打って変わって夕方からはかなり冷え込んでおりましたが、
風邪など引かぬよう体調に気をつけてお過ごしください。

【メンバーのうれしいニュース】

野城裕子さんの「せんたくきが歩きだした!」が、第35回日産童話と絵本のグランプリで佳作を受賞しました。
野城さん、おめでとうございます!


嘉瀬陽介さんの「R」が、「児童文芸 2019年2・3月号」から連載スタートとなりました。
嘉瀬さん、おめでとうございます!
今後の連載、楽しみにしています。


                                浦野奈央子





2019年3月4日月曜日

とんとんぼっこ

とんとんぼっこ
2月23日(土)13:00〜16:30

車窓から見える山が笑っていました。
広島は春らしい風がふいていました。
メンバーが、そよかぜコンクールで佳作をいただきました。
もうひとりのメンバーも、一次選考通過しました。
退会していたメンバーが再加入で、パワーアップしました。
とんとんぼっこは、一歩一歩、歩みを進めています。

八名の参加で合評前に総会をしました。会計報告、本年度の計画など話し合いました。
今年も偶数月の第4土曜日に定例会を持ち、必要に応じて臨時の会を持ちます。
教室を借りて、集中して合評することになりました。
4月には沢田俊子先生に講師をお願いし、合評会を持つ予定です。

六作品を合評しました。
忌憚のない意見がどんどん出ます。真反対の意見も出ます。
それが、とんとんぼっこの宝です。
最近の子どもたちの悲惨な事件を憂いなにか子どもたちに伝えたいと、重い筆をとったメンバーの文字の力強さに物語の真髄を感じました。
グレードをどこに合わせて書くか、作者は何を書きたいのかテーマを意識するなど、何回も出てきた課題ですが、何回も言い続けていきます。
七五調のリズムや文章のタッチの工夫、個性的な表現が、読みを楽しくしています。登場人物の数や登場のさせ方の工夫が、物語をすっきり読ませます。
弱肉強食の世界をどこまでどう表現すればいいのか課題が残りました。

交流した意見を胸に刻み、作品に感想を書き込みした用紙をお互いに手渡し、書き直しに向けて帰路につきました。
                             (西谷まち)