【わらしべ通信NO.141】
2月の寒空のもと、わらしべ合評会を行いました。
皆さんは、冬といえば何を思い出しますか?
わたしは「灯油の匂い」です。
危ないヤツ……ではありません!
この匂いを嗅ぐと、石油ストーブの前で、シュンシュンとわくヤカンの音をBGMにまどろんでいた子どもの頃を思い出して、じわんと鼻の奥が暖かくなるのです。
さて、2月の合評作品は3作でした。
1作目は大人が主人公の、ほっこり日常のお話。描写が上手くて、鮮やかな物語が浮かび上がります。大人が主人公の児童文学はたくさんありますが、今回は大人向けの童話作品なのか、子どもに向けて出版をも目指す作品にするのか、作者は思わぬ岐路に立たされることになりました。
2作目は天皇について語り合う祖父と孫のお話。
このテーマを取り上げよう!と思いつくのがまずすごい!歴史背景についても触れられていて、知らない知識を得られておもしろかったです。まだまだ作者は書きたいことがたくさんあるようなので、ぜひ続きを書いて欲しいなと思います。
3作目はある言葉をキッカケに、小学生の主人公に自主性が育つ様子を描いた作品です。その言葉自体が持つイメージについて意見が分かれました。
教訓的でなく自然に、自主性について主人公の心の動きが見えるのが、長く教育現場に携わってきた作者だからこそという、さすがの観点でした。
わらしべには創作としての経験はもちろん、人生経験豊富な方々がたくさんおられ、色んな視点に触れられるのが毎回楽しいです。サークルの皆さんのエネルギーと優しさによって、何とかこの世界に踏みとどまっています。
さらに定例会後の有志のお茶会でも、ぶっちゃけ話を色々と聞くことができて、楽しませていただきました。
あらためて、「わらしべっていいな」と感じた1日でした。
(桧室若葉)