2025年5月27日火曜日

童話サークルわらしべ

 【わらしべ通信NO.144

518日 くもり

 

ぼくはホワイトボード。駅近の中央公民館の会議室が、ぼくの住居兼仕事場さ。今日は「わらしべ」っていう童話サークルの定例会がある日なんだ。あ、来た来た。1人2人、3人4人……続々とやって来るぞ。月1回のこの集まりを、みんな、楽しみにしているんだね。そうそう、毎回おやつを配ってくれる奇特な人もいるんだよ。

代表がぼくの前に立った。今日やることや欠席者、来月以降の作品提出者の名前を書いていく。ん? 総会? あ、そうか、今日は年に1回の総会の日なんだ。

時間になって、定例会がはじまった。まずは総会から。資料に沿って令和6年度の活動内容や決算などを報告し、今年度の会計予算・活動計画を発表していく。拍手があって、異議なく了承された。毎年こうして活動の詳細をきちんと書面にして残しておくって、大事なことなんだろうなあ。

総会のあとは合評だ。今回は3作品。魔法やら野球やらが出てきて、それぞれ個性的でおもしろかったよ。ホワイトボードがどうして原稿の内容を知っているんだって? そこはツッコむところじゃないよ(笑)。それはさておき、今回もそれぞれの作品に対していろんな意見が出たね。なかでも、とくに印象に残っているのが「噛み応えのある本」って言葉。抽象的な表現なだけに各人さまざまな捉え方があるだろうけど、物語を書く上でヒントになりそうな言葉だよなあ。それと合わせて、「個性」ってことについても考えさせられちゃった。そして、誰に向けて書いているかってことも。言葉ひとつ取っても、そこを意識しないとね。なんか、えらそうなこと言っちゃったけど、ホワイトボードの独り言だと思って聞き流してよね。

4時を少し回ったところで5月の定例会は無事終わり、本日のぼくの仕事も終了。テーブルと椅子を片付けて、ぼくをきれいにして、みんなはおしゃべりしながら部屋をあとにした。そうしてぼくは、静まり返った会議室でひとり物思いにふけったり、カーテンの隙間から見える宇宙に思いを巡らせたりして、いつの間にか、眠りについたのさ。

                                   なかい

 

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