サークルブログ【わらしべ通信 No.83】
2020年第一回の「わらしべ」は畑中弘子先生をお招きしての合評会でした。
みんな畑中先生に作品を見ていただきたくてがんばったので、今回は何と10作品です。
一作ずつは駆け足気味になってしまいましたが、トータルでは畑中先生のお話をたくさんお聞きすることができて、とっても充実した会となりました。
まずはじめに「児童文学の創作者としての心構え」についてお話下さり、畑中先生がこれまで深く暖かい心で子どもたちと向きあい、物語を書いてこられたのがよく分かります。
「私も子どもたちをわくわくさせたい!」と改めて思いました。
合評に入ると、実践的なアドバイスをいくつもいただきました。
・形容詞、形容動詞、副詞が増えてきたら要注意
書く人は行き詰まったり、先を急ぐとついつい「あいまいな言葉」で文をつないでしまうので、そういうときは筆をおいて休憩したほうがいいでしょう、とのこと。
分かります。身に覚えがあります。
・無理だと思うものを書いてみる
みんな自然と書きやすいものばかり書いてしまいがちなので、意識して普段書かないもの、苦手なものにチャレンジするように心がける。
全くその通り!
・余分な部分は消す!
合評作品の多くが「ここはいらない!」「ここもいらない!」のお言葉を受けていました。
先生はしゃべり通しでお疲れになったことと思いますが、その後の懇親会でもたくさん私たちを褒めて、はげまして下さり、私たちは「もっと書きたい!」という前向きな気持ちになれました。これは「畑中マジック」ですね。

一年のはじめにこんな素晴らしい勉強会を持てたのだから「今年はいいことありそう!」、そんな風に思える一日でした。(萩原 弓佳)
【わらしべ通信NO.82】
12月15日、街がすっかりクリスマス色に染まっている日曜日の
午後です。
今年最後のわらしべ定例会ですが、会員が2つのグループに
分かれての開催となりました。
その1:通常通りの西宮北口会場での合評会
その2;広げよう! 子供の読書応援隊フォーラム(於:大阪
樟蔭女子大学)「困難を抱える子供たちのために〜読書でつくる、
子供の居場所〜」への参加
それぞれについて、参加者からの感想を紹介いたします。
その1:作品合評会参加者より
・あらかじめ決めていた「形容詞」「名詞」を選んで、全員が
宿題作品を書いてきました。
これぞ5枚作品!という声のあった低学年向き作品はとても勉強
になりました。素直に素直に、書くのがいいんだなあ〜。
・提出された11作品を全部合評できたので、清々しい達成感を
感じました(^^)
・課題がある方が、物語の種が見つけやすいことに気づいた。
・提出された作品数が多く、速読では一つ一つをじっくり検討
できなかったが、皆の意欲がひしひしと伝わってきた。
・時間がないことが幸いし、作者の朗読が聞けて、とても楽し
かった。
こちらへの参加は8名、お菓子の持ち寄りが豪華! 全11作品を
ほぼ速読で、しかも短時間で合評するというのは、ものすごい
集中力と体力?が必要でした。
その2:フォーラム参加者より
・子どもたちにむけて、「物語は読者に寄り添えない。子ども
自身の問題や境遇をさておき、別世界を生きることになる。
でも突然、その別世界の中の物語の中で突然、リアルな問題に
響くことばを見つけることもある」ということをお話されてい
ました。子どもの頃のお話の中でそれができるような気がして
います。
・「時間はかかるけれども、本に囲まれた環境を整えていくこと
が大事だよ」ということばも印象に残っています。
・不登校新聞を一部サンプルにいただけて、その編集のお話など
も聞けてよかったです。
・作家の立場、支援の仕事をされている方の立場、司書の立場から、
多くの貴重なお話をお聞きしました。今、子どもたちに『「本」
のある“サードプレイス”としての図書館』が大変重要になってい
ることを痛感しました。困難を抱える子どもが多くなった昨今、
学校と直結した「学校図書館」は大切な「居場所」なのだと強く
感じました。
多くの大人たちが、それぞれの立場から、できることを少しでも
していって、子どもたちの困難を減らすことができたら……!
創作に励む私たちの作品が、子どもたちの心の力になる「本」と
なることを願います。
こちらに参加した5名は、心に響くことばを持ち帰ったことだと
思います。
さて、来年の最初のわらしべは、講師をお招きしての勉強会です。
作品がたくさん提出されています。思い思いの年末年始を過ごした
ら、集中して臨みたいと思います。
来年も、わらしべの皆に良いご縁がありますように。(藤谷クミコ)