2024年10月27日日曜日

童話サークルわらしべ

 【わらしべ通信NO.137】 

 

急に肌寒くなった10月第3週の日曜日、西宮市の会場でわらしべ定例会が開催されました。参加者はいつもより随分少なめの8名です。

まず合評の前に、会員の公募受賞作品が掲載された真新しい本がお披露目されました。素敵なイラストもふんだんに使われていて、「いいな~」というため息と、この公募に挑戦したいという声がちらほら聞こえてきました。

 

合評は4作品でした。

・1作目はユニークなキャラクターの言い分に、思わず耳を傾けたくなる高学年向きの作品でした。解決の仕方が大人びすぎているのではないか、読者対象を下げたらいいのではないか等の意見が出ました。またこのキャラクターなりの幸せな結末についても議論をしました。

・2作目はゲーム的な要素を取り入れながら、大切なことを伝えようとする低学年向きの作品でした。ワクワクする展開なのですが、アイテムが多くてやや複雑です。話し合っているうちにもっと単純にするアイデアが生まれて、一同盛り上がりました。負の感情から繰り広げられて行くテーマについては、このままでも充分伝わってくるのですが、もっとしっくりする書き方を作者は探しているようでした。

・3作目はある確執がきっかけで主人公が子どもなりの大冒険をする中学年向きの作品でした。わらしべの会員にとってなじみのある場所が描かれているので、親しみをもって読めたという意見が多く出ました。また主人公が憧れる歴史的英雄の扱い方にも助言がありました。

・4作目は魔法使いが登場する低学年向きの作品です。魔法のかけ方がとてもユニークで作品を可愛らしいものにしています。主人公のラストの願いが分かりにくい、途中の部分は別の物語にしたほうがいいのではないか等の意見がありました。「明日が来てもいいよと思わせたい」という作者の言葉が印象的でした。

 

 定例会が終わって時計を見たら、いつもより少々オーバーしていました。参加者が少なくても熱い合評が出来た証ですね。

今日の作品はどんな風に育っていくのかな。一番始めの読者になれて幸せな時間でした。

(きくち しづ)

 

【会員ニュース】

  山下みゆき 朝日小学生新聞にて

「遠い山の見える庭3」連載中 12月末まで