2021年8月30日月曜日

とんとんぼっこ

 広島にも、またまた非常事態宣言が出ました。

今回も合評会はリモートです。

ネット環境もメンバーそれぞれであることと、ライン(スマホ)の限界が1時間ちょっとと短いこともあり、合評はメールとラインの組み合わせです。メールで感想を送りあっておいて、リモートで補足を行っています。

何かと不自由さを感じるコロナ禍ですが、開催中のパラリンピックにとても励まされています。

選手の活躍、その言葉の力強さ。障害があろうとなかろうと、彼(彼女)は彼(彼女)のままでかっこいい! かっこいいものを見ると、無条件に心動かされます。

今回のパラリンピック、オープニングの主人公は片翼の小さな飛行機でした。このストーリーがはたしてどんなラストに結び付くのか、物語を創る者のひとりとして、固唾をのんで見入りました。

片翼の飛行機は飛べるのか? 飛べるとしたら、どうやって? だれかがもう片翼をになわないと無理だろう。でも、それではけっきょく、ひとりで飛ぶのは無理なことだったというネガティブなメッセージになりかねない……。

しかし、片翼の飛行機はひとりで飛び立ちます。みんなの起こした「風」を力に。

ひとりで飛べること。そして、みんなで風を起こせることを、競技がはじまるとすぐに納得できました。最初から無理だと決めてかかることの愚かさ。このことは、これからわたしたちが児童文学を創るうえで、とても大切な気づきになるのではないかと思いました。


さて合評会ですが、今回提出の作品には、それぞれ「挑戦」があったように思います。

いろんなことが重なってバタバタの中でみがかれた作品。コロナ禍に気力も下がる中、ちょっとしたきっかけで誕生した、気持ちの晴れる短編。長編への挑戦の第一歩となる原稿。そして、何度も取材を重ねられ、書き直されてできあがった手作り絵本。この方にとって、取材も絵本も初めての挑戦でした。みんなから、「宝物ですね」と声がかかりました。本当にそう思います。


次回は10月23日(土)を予定しています。(巣山)