2018年12月25日火曜日

わらしべ通信

【わらしべ通信NO.70】

今年最後の定例会、たっぷり勉強した後は忘年会が待っています。おいしいお酒を飲むためにがんばりました。

この日の合評は4作品でした。
主な論点は
・子ども向けの作品で大人が主人公なのはアリかナシか。
・運動能力の面で男女差が出始める年頃のスポーツ題材の取り扱い方。
・一読しただけで理解できる分かりやすさが必要。
・前ぶれのない「突然のファンタジー展開」は読者が戸惑うかも。
です。
改めて、子ども目線(対象年齢にあった言葉選び)が大切だということも確認しました。

私も作品を提出していましたが「冒頭で誰が主人公か分からない」と言われてしまいました。
「そんなはずはない。一目でわかるはず」
と思ったのですが、そう言われて見直してみると確かに分かりにくい書き出しでした。
こういうとき、作品を読んで指摘してくれる仲間がいるのはありがたいなぁとしみじみ思います。

忘年会の会場は近くのお寿司屋さんです。なんとわらしべ忘年会の数日後にテレビで取り上げられ、メニューなどが紹介されていました。
実際雰囲気も良くお料理もおいしいお店で、忘年会も盛り上がりました。
素敵なお店を選んでくれた幹事さんありがとう!(私ですけど)

                               (萩原弓佳)










とんとんぼっこ

今年の漢字は「災」だそうです。

広島も、広い地域で豪雨災害にあいました。このたびの豪雨は、水のみならず、山から流出した土砂が被害を拡大しました。水がひいたあとの建物は、泥にうまっていました。

とんとんぼっこでは、絵本を失った幼稚園などに本を送る活動をしました。

小さな呼びかけに対し、すぐにたくさんの方たちが協力してくださいました。児童文芸家協会をはじめ、協会の作家さんたちもたくさんの本を送ってくださいました。

おかげさまで、幼稚園、児童館、赤ちゃんのサークル等に、500冊あまりの本を届けることができました。

ご協力くださった皆様のあたたかさが身に沁み、わたしたちは心に「福」をいただいた思いです。本当にありがとうございました。

                            (とんとんぼっこ一同)





2018年12月20日木曜日

近江ペンの会

近江ペンの会

12月9日(日)10時30分から

北川チハル先生を囲んで勉強会



数日前まで10月下旬の暖かさという異常さだったのに、
勉強会当日は急に気温が下がり、この冬初めて白くなった伊吹山。


そんな中ご遠方より、北川先生にお越しいただきました。

出席メンバー9名  提出作品6作品


どれも書き手の個性がとてもよく出た作品ばかり。
って、すみません、偉そうに・・・。
でも、本当に楽しい作品ばかりです。

北川先生は、それぞれの作品の全体の感想、
次に細かくシーンごとに、問題点等を指摘してくださいました。

北川先生と大塚先生のご指摘で、
自分でも気づかなったところ、自分の欠点、新しい発見、新しい発想を
教えて頂きました。
そして、自分の出来の悪さに凹んだり。
ま、まだ書き始めて、ヨチヨチ歩きの段階なんだから、
凹むことすら、おこがましいですね。


6作品の合評の後は、
以前、メンバーの方が書かれた作品を題材に、
絵本のお話の作り方(技術的なことも含めて)も教えていただきました。
絵本って、絵を描く人と文章を書く人が違うと難しいですよね。


降雪の心配があったので、かなり急いだスケジュールになりましたが、
とても充実しておりました。


本当にありがとうございました。



来年も一歩ずつ、進んでいきましょう。

アップが遅くなって申し訳ありません。


                     文 責 ( 宝野 志麻 )





2018年12月3日月曜日

とんとんぼっこ

12月のとんとんぼっこは、ランチと足湯付きでした。

ランチに行ったのは、平和大通りに面した街中のお店ですが、みんなで並んで使える足湯の湯舟がありました。

午後から合評会がひかえているので、お酒は一杯だけ。とはいえ、満腹だし、足湯でほんわかしているし、さんざんおしゃべりしたし、天気はいいし……。

しかし、みなさんの切り替えはすごかった!

午後から3時間かけて、びっちりと合評会をしました。



11月の「童話塾in関西」には、とんとんぼっこから3名が参加しました。

書いた原稿を先生がたに合評していただくことができました。帰りの新幹線でも興奮さめやらず。いっしょに行ったメンバーの一人は、教わった「説明」と「描写(で表現)」の違いについて、考え込んでいました。

ちょうど中国新聞に、中国短編文学賞選者の高樹のぶ子氏の言葉が載っていました。



『小説は多かれ少なかれ、「説明」が入ってきます。けれど、できるだけ「説明」ではなく、場面や情景を伝える「表現」が欲しい。なぜなら「説明」はすぐに記憶から消えてしまうけれど、ある印象的な場面や情景は、記憶にこびりついて消えてくれない。あれはどの本だったのか、どんな小説のページだったのか思いだせないけれど、あの時の風や陽の翳り、草の匂いは思いだせる…。(中略)風や陽の翳りや草の匂いが立ち上がり、やがてゆっくりと、その場面に存在する人物が見えてきて、そしてさらにその場に立ち込めていた感興が再現されていく、つまり文学の感動が蘇ってくる、という順番なのです』(2018,12,1 中国新聞)



今回、まさに「表現」された短編が提出されました。はじめて書いたSFということですが、鮮やかな印象が脳裏に残る作品でした。

また、亡くなった犬を描いた作品は温もりに満ちていました。亡くなった者たちを文章に描くとき、もう一度、彼らと会っているのかもしれません。



合評会が終わって、みんなで平和大通りのイルミネーションを見て帰りました。

濃い一日だった。そこからさらに、映画を観に流れたメンバーも。濃いわー。

次回は2月23日(土)を予定しています。



                                (巣山)





2018年12月1日土曜日

近江ペンの会

近江ペンの会例会
11月17日(土)13時30分~

湖北地方と言われる長浜。琵琶湖には鴨やコハクチョウなどの渡り鳥の群れが沢山飛来しているが、空はどんよりとして時雨の多い季節となる。
今月の提出作品は、二作品だったが提出者の一人が欠席だったので、合評は一作品のみとなった。

○ぼくはやっぱり、ぼくがすき   
  Hさんの絵本にするための作品
 子ぎつねが一人前のきつねになるための、化け方のテストに向けて、
 化ける練習をする。
 なかなか上手に化けられない子ぎつねと、天才的に化けるのが上手な子ぎつねのお話。

大塚先生からのご指摘
 絵本の場合は ことばの省略が大切で、余計なことばは書かない。
 子ぎつねが化けなければならない、もっとせっぱ詰まった理由が必要だ。

書き直しを厭わないHさんだからきっと次には素敵な作品に仕上げて来られると期待している。
合評作品が少なかったので、先生から「ノンフィクション作品」についてのお話を伺った。
資料を集めるのは大変な作業だが、それを羅列しただけでは記録であって、文学作品にするにはそこに何か読ませるストーリーが必要とのこと。

来月は、特別講師に北川チハル先生をお迎えしての勉強会。どんなお話が聴けるのか楽しみ。
                          
                                                                   かわむら まさえ




2018年11月26日月曜日

わらしべ通信

【わらしべ通信NO.69】

11月18日のわらしべ定例会は、「わらしべ3号」に関する話し合いからはじまりました。
それぞれ希望冊数を申告し、印刷する冊数を決め、編集作業もゴールが見えてきました。表紙がずれたり印刷で失敗しないように、最後まで気を抜かずに頑張っていきたいと思います。

今回のわらしべ、合評作品は3人の5作品でした。

幼年向けの3編連作ものは、大変かわいらしい作品だったのですが、やや「大人目線が気になる」という意見が出ました。

「お母さんが登場して、説明して、まとめてしまう」というは、みなやりがちなんですが、そこをぐっと我慢して、子ども目線で、子どもの世界を追ってほしいな、という「いうのは簡単、やるのは大変」な結論になりました。


低学年向けの作品は、1年生の男の子たちがイキイキしていて、とてもパワーを感じる作品でした。
「どこまで書くか」「どのように書くか」を詰めて、低学年でも分かりやすいように書き直せばきっといい作品になると思います。


中学年向けの作品は、高齢者と小学生が出会った一瞬を書いたお話でした。難しいテーマにしては枚数が少なく、やや言葉足らずなところもあって、創作サークルでありがちな「気心のしれた仲間だから理解できるけれど、作者のことを知らない人が読んだらどういう風に受け取られるか心配」な面もありました。


この日はドーナツを差し入れてくれたメンバーがいて、おいしくいただきながらの合評会でした。みんなおやつ大好きです。


                                                                                                     (萩原弓佳)




2018年11月19日月曜日

だんでらいおん

11月10日(土)、協会事務局をお借りして、合評会を行いました。

いろいろな事情により最近は全員顔を揃えることがむずかしく、今回も参加メンバーは5名でしたが、うれしいことに体験参加者が2名もいらっしゃいました。

全員が作品を提出し、絵本テキスト、幼年童話、中学年向きの短めの読み物、高学年向き長編の一部などグレード、内容もさまざま。それぞれ得意ジャンルに違いがありますが、日頃自分が書かないような作品を読むのも新鮮で、刺激を受け合いながらの熱い合評となりました。

だんでらいおんでは、体験参加の方にも作品の持参をお願いしています。
ほんの短いものでもOKなのですが、今回はお二人とも400字原稿用紙20枚位の読み応えのある作品を事前に送ってくださいました。
合評でも的確なご意見をおっしゃってくださり、なんだかいつもの合評会に新たな風を吹き込んでいただいたようで、楽しかったです。

終了後は、かなり早いけれど、忘年会へ(今年最後の集まりなので)。
合評会よりくだけた雰囲気の中、創作への想いを語り合って、盛り上がりました。
来年もがんばりましょう!


【メンバーのうれしいニュース】

◎ 嘉瀬陽介さんの「星のない夜の太陽」が、第18回創作コンクールつばさ賞で読み物部門佳作を受賞しました。嘉瀬さんは、「あくまでも願いはひとつ」が『5分ごとにひらく恐怖のとびら百物語③ 強欲のとびら』(文溪堂刊)に掲載され、ダブルの「おめでとう!」です。すばらしい!!
               

◎ 音森ぽこさんの「おうちのいえで」が、チャイルド本社の月刊絵本「おはなしチャイルド」11月号に採用されました。音森さん、おめでとうございます!
ずっと以前に思いついたモチーフを、あたためながら育て続け、今回の採用に結びついたのだとか。すぐには形にならない作品も、どうか大事にしておいてねという音森さんからのメッセージに勇気をもらいました。

                               (真山みな子)





2018年11月12日月曜日

近江ペンの会

2018年11月3日(土)
近江ペンの会
ブログ
10月27日(土)定例会13時30〜

出席者 12名

京都から長浜へ、ひたすら車を走らせ琵琶湖岸を行く。月に1度四季折々の景色を楽しむ。風情ある琵琶湖から素晴らしい発想が波のように押し寄せて・・・
というわけにはいかないよなぁ!

10月7日 天性寺で開催された「すとうあさえ先生の講演会」出席者の報告
中でも先生の提言「1年間に100話書く覚悟を!」には出席者一同説明を聞いて、
納得しつつ青ざめた。

今回の合評は4作品でした。

○作品1  
海外原作の童話を日本の民話風にアレンジした脚本で、年齢差のある子ども対象の人形劇。シナリオではどこまでセリフで説明するのか、あるいは演技で表現するのか難しいところ。憎まれ役をもう少し子ども達にアピールできるように強烈な性格にしたほうが
印象深くわかり易いのではないか。

○作品2
幼稚園児のセリフの後に大人の感覚による説明が混在。子どもの目線を保って書くとしたらどうなるか皆で考える。外来語の表記の統一をする。わかちがきの徹底などの指摘。

○作品3(自分の作品)
ナンセンス分野の作品で発想は面白いが、展開に無理がある。読み手の対象年齢が不明。一文が長すぎる。
滝沢馬琴の教訓「目を引く(工夫された)タイトル」・話の内容のバランスは「俗七雅三」・「目新しいもの読者のしりたがっているもの」が売れるそうだ。(これはその場で話された余談)

○作品4
前回の作品の書き直し。山菜の知識満載で、一同山菜について親しみを持ち勉強になった。きっとこれを読んだ子供たちもこんなふうに自然を感じ、興味を持ってくれるのではないかと想像をふくらませた。作品中に山場があるほうが面白いのではないか。読者にハラハラさせる事件があったほうが、安堵感も大きく読後の満足感も大きいのではないか。

京都に向かって車を走らせる。琵琶湖の夕照。筆舌に尽くしがたい雄大な景色。
湖面に落ちてゆく夕陽を見て「夕陽よ、お前も落ちてゆくか。しかし明日また美しく輝くよな!」と合評会後のガックリときたこころを慰め励ます。・・・・あかね丸(私の車)と家路へ。                         
                                     
                             (文責 はつね)





2018年11月5日月曜日

とんとんぼっこ

10月27日土曜日
 6作品が出て合評会が白熱し、予定時間をオーバーするほどでした。はじめての長い作品、以前からあたためていた素材にとりくんだ作品、前回合評した長編を最後まで書いたもの、目にした情景にヒントを得て新しく描いた作品。個性を感じる作品が出されました。今回の合評でのキーワードは、「まだもう少し書くことがあるんじゃないですか?」ということだったように思います。登場人物におこるできごとや気持ちの変化などが、
さいごに読者の腑に落ちるか? 
そこをクリアできるよう書き直していこうと思います。

さて、今年は災害の多い夏でした。広島でも豪雨災害がありました。その後も、各地で大きな台風や地震があり、たくさんの方が被害にあわれたり不便な生活を送られたと思います。
被害にあわれた方には心よりお見舞い申し上げます。
とんとんぼっこでは、豪雨災害で本を失くした呉市の児童館と広島市矢野の幼稚園に児童書や絵本を寄贈することにしました。先月、9月中旬には呉市安浦町のさつき児童会に本を届けました。さつき児童館では、建物の一階に土砂が入って蔵書の三分の二が使えなくなったそうです。
新しくなった畳に思い思いに座って本を読んで過ごしているこどもさんのようすをみて、いろいろな本をお届けできてよかったと思いました。
この本の寄贈にご協力くださったみなさま、ありがとうございました。
児童文芸家協会からも絵本を寄贈いただきました。ありがとうございます。
11月には、土砂の影響のため小学校の部屋を借りて運営されていた広島市の矢野幼稚園がもとの園で再開されるのにあわせ、集まった絵本を届けに行く予定です。
  
                                (さとうともこ)





2018年11月1日木曜日

わらしべ通信

【わらしべ通信NO.68】

10月21日(日)、わらしべ定例会があり、15名が出席しました。

合評の前に、10月7日の京都で開催された「すとうあさえ先生の講演会」に参加したメンバー(5名!)より、当日の様子の報告がありました。
それぞれが、競うように印象深かったお話の部分を語り、たいへん熱いトークとなりました。
その後、幼年2作、怖い話1作、中学年2作の、計5作品を合評しました。

・急展開する話では、小さな子どもにも合点がいく、わかりやすい伏線がいるのではないか。
・作者が見えている風景を、文章だけでどのように読者に見せるか。そのために必要な描写をよく考える。
・童話の中での「死」の扱い方、ラストをアンハッピーエンドにしていいのかどうか。
・主人公ががんばっている姿、みんなが励ましている姿など、物語の中で大切な部分は、一文で簡単に終わらせず、場面としてしっかり書いた方がよい。
・物語を、加害者目線で読むか、被害者目線で読むかで、納得できる結末というのは変わってくるので、心情描写も含め、注意しなければならない。

合評が難しい作品もありましたが、様々な意見が飛び交い、今回も深く考える合評時間となりました。「わらしべ」3号の冊子の方も、校正作業を終え、イラストが集まるなど、着々と進んでおります。2018年の定例会も、あと2回、がんばりましょう!

★メンバーの作品が掲載されています★

・井上林子さん
雑誌「ひかりのくに」2018年10月号「くぬぎちゃん へ~んしん!」

・萩原弓佳さん
雑誌「がくしゅうひかりのくに」2018年10月号「わたしのサンドイッチ」

               
                           (担当:山下みゆき)




2018年10月4日木曜日

近江ペンの会 

近江ペンの会 
ブログNO.2
922日(土曜日)1330分~

今月の定例会の出席者は10名でした。
久しぶりに参加された方がいらっしゃいました。近況報告される中で、介護の話になりました。
目をそらすことができないはなしです。だからこそ、家族の関わり方を含めて、いつかこどもたちに届けることができたらいいね。と、話しました。

作品がみなさんのもとへ……
ということになるかもしれない作品があります。最終段階にきています。

さて、今回の合評は三作の予定でしたが、提出した二名の方が欠席のため一作のみの合評となりました。(わたしの作品です)作品は書き直しの作品です。
前回、主人公(小学五年生の女の子)の生い立ちなどが必要ということと、視点がぶれていて、
だれの話かわからないということだったので、その点を書き直しての作品となりました。
主人公の設定を前回から変更したということもあり、読み手の方に混乱をさせてしまったということが残念でした。書き手も前回の内容や設定が記憶に残り、キャラクターの背景を引きずってしまったというのが一因かと思います。
「今回はこの作品で勝負!」ということを肝に銘じました。

今回は一作品ということで、皆さんのはなしがこってりと聞けて書き手としては贅沢な時間でした。ぺんの会のみなさんの想像力のたくましさにはいつも感服いたします。書き手が意図していない方向へ話しがどんどん進んでいきます。そこから、新しいアイディアが浮かんできます。
次回作に活かせるように頑張りたいと思います。
ありがとうございました。

                       ムクダ ユミ





2018年10月1日月曜日

わらしべ通信

【わらしべ通信NO.67】

冷蔵庫にはベーコンがなかった。これでは緊急時、焼き飯を作ることができない。定例会の帰りに買うことにしよう。そんなことを考えながら定例会会場に向かった。エレベータに乗り、4階で降りる。わらしべメンバーはほぼ揃い、雑談に花を咲かせていた。部屋の隅のテーブルには、次回の合評作品が並んでいる。それを取り、着席する。9月16日、時計の針が1時をさし、今年9回目の定例会が始まった。
わらしべ3号の打ち合わせをしたあと、合評がスタートした。合評作品は5本。
YA向けの恋愛ものから絵本用のこわい話まで、バラエティに富んだ内容だ。で、今回、議論のひとつとなったのが「大人の発想」。この子どもの行動は大人の発想によるものだ、などなど。子ども向けに書いているつもりでも、ついつい大人の視点や感覚で物語を進めてしまうことがある。常に読み手を意識して一文一文を執筆する。基本中の基本ではあるが、持続することはなかなか難しい。また、大人向けのショップを舞台にするにしても、読者である子どもが興味を持つような工夫をする必要があるのではないか。そんな、設定に関する意見も出た。
合評会は研修とは違い、各自が独自にスキームを構築し、レベルアップを図っていかなければならない。そうしなければ、毎回、素材を変えているだけで同じことの繰り返しになってしまう。4時を少しまわったところで、定例会はお開きになった。さて、次なる目的はベーコンの購入だ。お徳用があればいいのだが…。 
                           
                               (中井たかし)





2018年9月7日金曜日

近江ペンの会

 近江ペンの会の大塚篤子です。このたび(7月)に当協会のサークルへのお許しをいただいたので、ご報告させていただきます。
近江ペンの会は2013年4月に発足しました。主に滋賀県下で子どもたちのためにすばらしい文化活動をしている「すずめの学校」の有志と、子どもの本が大好きな人々が集まりました。
 例会は基本月一回、第4土曜日の13時30分から16時くらいまで、滋賀県長浜市の古民家で開いています。それぞれメンバーが提出した作品を全員で読み合い、意見を出し合い、合評しています。作品の良し悪しだけでなく、どうしたらもっと子どもの心に届く作品になるか、もっとちがう展開はないか、作品中のどういう表現がすばらしかったかなど、意見を出し合って、作品の完成を目指しています。
 今までに作品集『四角いたまご』1号、2号を発刊し、年に一度の特別勉強会では、講師の先生(野村一秋、沢田俊子、竹内もと代)に来ていただいて、有意義なすばらしい経験をさせていただきました。昨年の6月には、他グループとの合同合宿を一泊二日で行い、大いに盛り上がりました。


2018年8月25日
出席は10名、この日は3作品について意見を出し合いました。

「ワラビ目、ゼンマイ目」
 タイトルが意外性があって面白いという意見があった。ただ意外性がある場合、作中で説明、または読者に納得させる必要がある。この作者は今までに、里山で暮らすさまざまなこと(たけのこ掘り、梅の収穫、ぎんなんの危険性、オニグルミや山菜採り)に焦点をあてて、書き続けています。テーマがしぼられて羨ましいという声がたくさんあがりました。とても地味なテーマだけど、今の子どもたちに伝えていきたい作品です。
 ただ「割山」など、大人も知らないこともあり、自分がわかっているだけでなく、だれにでもわかるように書く必要があります。

「プンプン王様」
この作品は未完成で、合評作品としては反則だけど、その先をみんなで考えてみようということで、取り上げました。
プンプン怒ってばかりの王様の話で、これは子どもたちが喜びそうなお話だという意見が多くありました。
   もらったマントはどうする?
   後継者?
   王様をどこかに連れていく?
などなど、たくさんの意見がでて、作者は得をしたか、混乱したか。続きが読みたいです。

「ぼくはジェントルマン」
この作品はフットワーク(リズム)がよく、勢いで最後まで駆け抜けてほしい作品。甘くならずクールにといわれて、何度も書き直した根性はすごいです。今回はなぜジェントルマンなのかというところで、みなの意見がわかれました。このように、とくに筋にはかかわってこないけど、とても重要な要素があります。おろそかにしないことで、作品に説得力がでて、厚みが出ます。

 4時閉会。暑い中にも日脚だけは伸びて、季節は動いていると実感しました。


                                大塚篤子



2018年9月4日火曜日

とんとんぼっこ

8月25日土曜日 

昨年秋、東京都練馬区の「練馬パンカーニバル」というベントで、パン屋さんと絵本「パン屋のイーストン」(巣山ひろみ 文 佐竹美穂 絵 出版ワークス)がコラボしました。このときにクレイアニメ作家の山田優子さんが監督・制作された「パン屋のイーストン」のクレイアニメが第17回広島国際アニメーションフェスティバルの会場で上映される、というおしらせが届きました。広島国際アニメーションフェスティバルとは、2年に一度、広島市で8月に開催される映画祭で、世界4大アニメーションフェスティバルの一つだそうです。  
 上映はちょうど合評の日。実際に見ることができるめったにないチャンス! 合評の前にみんなで観に行くことにしました。
そして、この会場に行くのに都合のよい経由地が横川。児童文芸8・9月号「県別ちょっといい話」に書かせていただいた町です。せっかくなのでおすすめスポットを駆け足で
巡ってから会場へ向かいました。
散策、鑑賞、合評と、盛りだくさんな一日となりました。

合評作品は、6作品。
さいごまで書ききれなかった長編作品は、現時点での問題点を洗い出すことと、
構想している結末でよいのか、どう描くべきか意見が出ました。
競技のトップをねらう男の子の物語は短編とは思えない読みごたえ、用語や表現が多少難しくても、その世界が面白く描かれて言葉の難しさが気にならないと言う意見がほとんどでした。
以前書いたものを登場人物構成ともに書き直した10枚の作品は、前のものが印象的だったという意見もありましたが、今回のアイデアのよさがあるので主人公があやふやになっている部分をはっきりさせてまた書き直すことに。
短い物語だったものを構成を変え50枚程度をめざして書きなおしたものは、自然の厳しさを描いて、ぐっと深いものになりました。視点のぶれが多いところが指摘されました。
6枚の子ども目線の物語、子どもらしさを感じる内容、構成と文章をもっとシンプルに。
木の名前にヒントを得てことばのリズムと遊びを描いた絵本テキストは、どうすれば、ことばの遊びを生かしていけるか、いろいろな意見が出ました。
 書き直し作品については、大胆に描き直されたものが多くなってきたように思いました。

次回のとんとんぼっこは10月27日土曜日です。
                               
                                (さとうともこ)





 

2018年8月31日金曜日

わらしべ

【わらしべ通信NO.66】

8月19日のわらしべ定例会はいつもに増して内容の濃い会でした。
まずは冊子「わらしべ」3号に向けての話し合い。まだまだ日数的に余裕はあると思っていましたが、スケジュールをあれこれ逆算していくとさほどのんびりとはしていられません。できるところからどんどん進めていきたいと思います。

合評は5作品ありました。
・擬人化について
動物の作品と、食べ物の作品において「擬人化の度合い」が話題になりました。動物は服を着ているのか、食べ物は人間の体があるのか、物体そのものの姿なのか等です。出版されている作品は絵がつくのでイメージをつかみやすいですが、合評作品は文字だけなので、そのあたりの「ニンゲン度合い」がズレると作品のとらえ方が変わってきてしまいます。
メンバーの間でもさまざま受け取り方をしていて、それはそれで面白かったのですが、作者としては自分のイメージを明確に伝えるためにどうすればいいか、悩むところです。

・かぎカッコ「」の使い方。
セリフでかぎカッコを使用する際は必ず改行するのか、「」の後に、そのまま文章を繋げても良いのか、が問題になりました。
文の途中で【わたしは「こんにちは」と言いました。】のような書き方です。
学校ではかならず改行すると習いますが、実際世に出ている書籍の中にはさまざまな使い方があるようですね。

・視点の問題
創作の中でも特に扱いが難しい「視点」について話し合いました。様々な人の様子を書く「神視点」においてそれぞれの人の内面描写はどこまで書いていいのか、が争点です。神視点とはいえ、そうそう次々と「Aさんの心情描写?」「Bさんの心情描写?」と続けるのは、最近あまり見かけないね、という結論に達しました。あえてチャレンジするのも面白いかもしれませんが。

その他「食べ物の命をいただく場面などどれくらいリアルに書いてよいものか」といった残酷な描写についても話し合いました。対象年齢や作風によって違うでしょうし、一概にはいえないのですが、常に「命」に対しては真摯に向かいあい、その表現についてじっくり悩み、考えていきたいと思いました。
                               
                               (担当:萩原弓佳)





2018年7月21日土曜日

わらしべ

【わらしべ通信NO.65】

7月15日(日)、わらしべ定例会があり、13名が出席しました。

合評の前に、「わらしべ」3号に載せる作品の校閲作業を行いました。
事前に振り分けられていた2、3人ずつのグループに分かれて席にすわり、作品を交換し、やはり、事前にもってくるよう指示のあった、赤ペンで修正個所に印をしていきました。
完成にむかって、着々と進んでおります!

その後、4作を合評しました。
4作とも、作者の伝えたいことがわかりやすい作品でしたので、構成や、話の整理の仕方に絞った具体的な意見が多く出ました。

・物語の鍵になる人物を、始めから「怪しい人物」として出しておき、後で「でも、ちがいました!」とする「定番の展開」があるが、その形を取り入れることはできないか。
・高学年向けやYAの短編作品は、話の頭にもってきたものが、最後に逆になっていると、うまく成立する。
・最初に出ていたキャラたちが、途中で消えるのではなく、ずっと一緒か、どこかでうまく合流する構成にしてみてはどうか。
・オチの部分がもっとわかりやすくなるように、うまく補足できないか。

他のメンバーの作品について出た意見が、そのまま、自分の糧になるような、とてもいい定例会でした。

                              (担当:山下みゆき)




2018年6月28日木曜日

わらしべ

【わらしべ通信 NO.64】

6月17日(日)定例会
今回は動物モノ、友情モノ、擬人化モノなど5作品で、いつものように順番に合評が行われました。伝えたいことを絞る、説明的にならない、視点を明確にする、主人公に主体性を持たせる、タイトルを工夫するなど、いろんな意見が出ました。
こうして改めて書き出してみると、基本的なことが少なくありません。

1人で書いていると、(私を含め)どうにも基本を忘れてしまう、もしくは守るべきことが見えなくなってしまうのですね。そのためにも他者に読んでもらうことは大切です。
とはいうものの、何でもかんでも盲目的に取り入れるのは危険です。作者は四方八方、上下左右から放たれるさまざまな意見を取捨選択しなければなりません。何を捨てて何を拾うか。その基準は各人に委ねられるのですが、それがしっかりとできていないと作品は
とっ散らかってしまいます。個性も薄れてしまうでしょう。実際、個人的な感想ではありますが、「前回のほうがよかったのになあ」と思える作品もあります。いずれにしても、自分の中に設けたフィルターをより精度の高いものにするためにも、日々の鍛錬は欠かせません。

2045年前後にはコンピュータの能力がシンギュラリティ(技術的特異点)に到達し、人間の知能を超えてしまう、という予測もあります。いずれ、子どもたちがキャッキャと喜ぶ面白い童話をさくさく作成してしまうAIも登場することでしょう。そんな未来に負けないよう、自分にしか書けないものがたりづくりに精を出しましょう!
てなわけで、わらしべメンバーも、今日も元気に(たぶん)「書いてます!」
                                                                                                                (担当 中井たかし)




【会員のニュース】
萩原弓佳さん 【3分間ノンストップショートストーリー】アンソロジー続巻発売
ラストで君は「まさか! 」と言う たったひとつの嘘 (PHP研究所)





2018年6月25日月曜日

とんとんぼっこ

作品をみんなに合評してもらうのは、ありがたい反面、苦しみも生まれます。

自身で何度も書き直し、公募の締切りを目前にした作品では、なおのこと。おもいきった変更の提案には頭をかかえ、耳をふさぎたくなるのです……「きゃー、やめてぇぇぇ!」

というわけで、今回はホラーも多く提出されました。

絵本になることを前提としたホラー作品を合評するために、その人の原稿に絵をつけて、絵本に仕立ててくれたHさん。「今のままでは、絵にする場面が少ないのではないか」という彼の意見には、大変説得力がありました。

沢田俊子先生がよく、みんなの意見は両てのひらにうけて、指のあいだから落とすねんと言われていました。自分に必要な意見をうまく取り入れ、また、取り入れないことにするのも大事。原稿を数日寝かせておいて、新鮮な気持ちで読み直すと、わかってくることもあると思います。……が、寝かせているあいだに締切りが刻一刻と。ぎゃー!



次回、とんとんぼっこの合評会は8月25日(土)を予定しています。

                                 (巣山)

2018年6月7日木曜日

だんでらいおん

だんでらいおん

5月26日(土)12時半から、協会事務局にて合評会を行いました。今回の参加人数は4人。ただ、そのうちの1人は電車のトラブルで2時間半遅れての到着(甲府からの特急列車に缶詰!お疲れ様でした)、また早めに帰られた方もいて、実際には3人で合評が行われました。少人数のおかげで時間に追われることがなく、じっくりと意見交換ができました。特に盛り上がった話題は、私達書き手の子供の時のことが、今の子供達には当てはまらないということです。
例えば、放課後に公園で大勢で遊んでいる場面は、今ではあり得ません。今の子供達の生活に即した場面設定にし、昭和っぽくならないように注意しなくてはいけないと戒め合いました。
3人だけで、のんびり和やかにすすめられた会でしたが、やはり、より多くの方々から様々な見方による意見を伺いたいと思いますし、より沢山の作品を読ませて頂きたいとも思います。
そこで、今回の参加者と代表者とで、次回の合評会を「皆が参加できそうな日に!」と検討しました。
だんでらいおんでは、3か月毎の月の何れかの土曜日に合評会を開いています。けれども、8月や10月はお子さんがいる方の学校の行事があり、今年の9月は児童文芸主催の講座があります。そこで、ずいぶん先になりますが、開催は11月10日と決めました。各々の都合を考慮すると、3か月毎に開くのはなかなか難しくなりますね。次回は、なるべく多くの方が集まりますように……。

~各自の活動報告~

*『今日は何の日?366 偉人の誕生日から世界の歴史、記念日まで』(PHP研究所)
これは、歴史・行事・記念日・はじめて・人物の分類で、その日がどのような日なのかを紹介する一冊です。
真山みな子さんが、366話の内、30話を執筆しました。


*児童文芸書きおろし童話展2018(6月11日~6月18日)に、わたなべちとせさんが出品します。
作品名『しんまいおまわりさんハードとテリーとなぞのぶったい』(作・絵)


                                  野城裕子



2018年6月4日月曜日

わらしべ

【わらしべ通信NO.63】


5月20日(日)、本日のわらしべは総会+顧問・沢田俊子先生のご挨拶+定例会と盛りだくさん。
時間に追われながらも皆で考え、発言し、とても充実した集まりとなりました。欠席者は1名。

総会は、29年度の活動報告、会計報告、監査報告が滞りなく終了。30年度の活動計画案、予算案も無事了承されました。30年度はわらしべ3号の発行が予定されているため、それに向けた役割分担、スケジュールなどについても話し合いました。

次に沢田先生のご挨拶と、皆からの発言の時間がありました。(後述します) 

さて定例会です。今回は9作品でした。
時間が足りず後半は駆け足となってしまいましたが、「時間が足りない」という制約が「大切なことだけ言わねば」という意識になって、全体の内容はとても濃い、良い勉強会になったと思います。

重要なポイントは
・ファンタジーならとことん「突拍子もない展開」にこだわるべき。
 子どもの想像を超える「面白さ」を追求し、子どもに「展開が想像できる」と思われてはいけない。

・書きたいことをつめこみ過ぎると、結果的に「展開が急すぎる」ことになるので、書きたいことは絞ったほうがよい。
・沢田先生が大切にされていること「起承転結、おまけに1つ」結のあとに余韻を。

・いい人は面白くない、困った人を主人公にするとよい。

・説教くさいのはダメ。大事なことは登場人物に言わさない、読者に感じさせる。

・書き過ぎない。頭に浮かんだことをそのまま書かない。導入は特に謎を引っ張るようにして読者の気をひく。
です。

今回はわらしべ3号に向けて、2回目、3回目の書き直し作品を提出した人が多く、作品レベルが高いなあと感じていたのですが、それでもこれだけいろいろ改善点があるなんて創作って本当に奥が深いですね。今日の結果をもとにさらに個々の作品が洗練されていくのかと思うと、今からわらしべ3号の完成が待ち遠しいです。

  (担当:萩原弓佳)


【わらしべ顧問沢田俊子先生のご引退について】

わらしべ顧問として発足より5年半、会のために多方面からいろいろと考えていただき、
会員ひとりひとりにも惜しみなくご指導をいただいてきました沢田俊子先生が、
今月を以てご引退されることとなりました。
私たち一同にとってはとても寂しく、心の支えを失うような不安の中で、この日は先生
よりお言葉を頂戴し、作品の合評もしていただき感慨深い時間となりました。
わらしべメンバーは皆、先生をお慕いしており、まだまだ教えていただきたいことがたくさんあるので、今後もご都合がつく際はご指導いただけるよう心よりお願い申し上げました。
先生に育てていただいたわらしべが長く続きますように、また先生へのご恩返しとしていい作品が書けますように、わらしべメンバーが羽ばたけますように、今後も皆で精進していきたいと思います。
 沢田先生、本当にありがとうございました。     (代表:藤谷クミコ)

  
(沢田俊子先生と皆で記念にパチリ!!)

「わらしべ」を立ち上げて、早いもので五年半が経ちました。
その間、たくさんの人たちの入れ替わりがありましたが、
藤谷さんを始め役員のみなさんの努力のおかげで、安定した理想的な勉強会になりました。
メンバーに井上林子さんや萩原弓佳さんという作家も加わったので、ここらでバトンタッチさせてもらうことにしました。
お互いに卒業です。卒業しても縁が切れるわけではないので、見守っていきたいと思います。
「わらしべ」の中から、いい作品が羽ばたきますように。

                                                                               沢田俊子




2018年5月2日水曜日

とんとんぼっこ

4月28日土曜日 

合評会をする会場はいつもは人でいっぱいなのですが、今回は他の利用者さんがまばら。ゴールデンウィークが始まったせいでしょうか。
今回、7作品を合評しました。
・5枚童話 伝えたいことがはっきりしているので、そのために必要なもので構成していくことを意識する意見が多く出ました。

・5枚童話 あたたかい作風、心にひびく結末をいかすためにも、やはり5枚という短い枚数の中、構成について考える意見が多かったです。

・10枚の作品 落語のようなおちのある楽しいものがたりで発想もおもしろかったので、意見は登場人物たちの設定が自然かどうかというところに集中したように思います。

・10枚の作品 今、実際に行われている事実をもとにして広島を描く物語に挑戦した
作品。なので、これまでにたくさん描かれているものをなぞらない独自の描きかたを求める声が多く出ました。そして、伝えたいことを読む子どもに自然と伝わるためには
どんな形をとったらいいのか意見が出ました。

800字程度の絵本テキスト 作者は前回からこわいお話に挑戦中。
シリーズのこれまでに出た作品をたくさん読んで研究された成果がよく出ていると思いました。目のつけどころが面白く、これをこどもが読んでこわさを感じるものにするにはと意見を出し合いました。

・15枚の作品 前回の書き直し。書き直してわかりやすくなったが、テンポがなくなったという意見や、登場するものの姿が伝わってこないという意見があり、まだ推敲が必要のようです。

・そして、お話に絵をつけた力作。ひとつのテーマでいろいろと書き直しをつづけている作品です。今は、体験したできごとを掘り起し綴っているというところなので、
これから、どういう方向でお話を進めていくのがよいかいろいろと意見が出ました。

 合評がうまくなる、という言い方がいいのかわかりませんが、みんながそれぞれの視点で大切なことを掘り下げて指摘できているなあと、感動的な気持ちになる時があります。
 そして、今回作品を受け取った時にそれぞれにしっかりとした作品の個性があると感じられて、その人らしく作品を書いてきているということかなあとしみじみ思いました。

昨年まで年4回としていた例会を増やすこととなり月からは、偶数月に開催します。
というわけで、次回のとんとんぼっこは623日土曜日です。
                                                                                                                               (さとうともこ)






2018年4月19日木曜日

わらしべ

【わらしべ通信NO.62】

4月15日(日)、わらしべ定例会がありました。
13名が出席し、先月に引き続いて顧問の沢田先生にいらしていただき、
中学年向けを2作、低学年向けを1作、幼年向けを1作、合評しました。

 中学年作品では、「グレードの設定」について、いろいろ意見が出ました。
・この作品のおもしろさがもっと生きる、別のグレードがあるのではないか。
・キャラクターの魅力は、低学年の子の方がよろこぶのではないか。
・しかし、作品のある場面の、世の中の真理をついているようなところは、
高学年向きなのではないか。
 私も、書いた後でグレードで迷うことがよくあるので、まるで自分の作品が
合評されているような気持ちで聞いておりました。
 また、話のオチによって、ふさわしい長さがある、という、ボリュームについての
意見もありました。

 もはや直す部分などないのではないかという、完成度の高い作品についても、
沢田先生から、もっと作品をよいものにするためのアイデアが出されました。
 それは、「作者に都合のいい登場人物を消してしまおう!」というもので、
これは、いよいよ改稿に行き詰ったときの必殺技となるかもしれません。

 低学年向け、幼年向けの作品では、分かりにくい点の指摘を中心に意見を
出し合いました。
人に読んでもらうまで、分かりにくさに作者が気づかないことがあるので、
こうした合評の場があることは、本当にありがたいことだといつも思います。
                         (担当:山下みゆき)
【会員のニュース】
☆メンバーの萩原弓佳さんが、「浜田広介記念館だより」第18号で紹介されました!



  


2018年3月27日火曜日

わらしべ

【わらしべ通信NO.61】

 3月18日(日)例年より桜の開花が早そうだという声が聞かれるようになりました。
今日のわらしべ定例会は、全員出席! そして顧問の沢田先生もご出席です。
久しぶりに会った面々が、笑顔で話す声にその場の空気が和みます。
 
 開始直前、机の上にはずらーっと会員の皆からの、差し入れのお菓子が並びました。
わあ、嬉しいと思いきや、そのうちの一人は退会のご挨拶という事でした。自身の創作を
見極めての転向とのことです。






 別のメンバーで、創作から離れていた時間に以前から書き溜めていた「詩」をまとめて
冊子にし、配布した人がありました。装丁から全部手掛けたというおしゃれな詩集。
『うつら うつら』(乾さき子)






話を頷きながら聞いている一同、今日の笑顔の陰で、悩みながら創作を続けていることが
伝わります。お互い同志と感じました。

今月は冊子用作品合評の第2回目。全部で7作品を合評しました。
冊子用作品なので、公募入選などを目指したものではなく、わらしべらしさの光る冊子に
できるようにという観点から合評をしていただきました。
作者は沢田先生から「優し目コース、厳し目コース」のどちらかを選択して意見をいただけるという試みもあって、楽しく盛り上がりました。
 書きたいものを書くことと、メッセージを伝えるために書くこと、そして読者の側に
立ってみること、それらのバランスを考えて良い冊子にできるよう、ひとりひとり作品を磨きましょう。
 
 さて、わらしべも発足から5年半の歳月がたちました。「わらしべ通信」も毎月更新して61号となりました。ここまで活動してこられたのは、顧問の沢田俊子先生をはじめ、
会の様々な役割分担を担ってくれた会員皆のおかげです。
 わらしべでは、このサークルブログ以外にも、書記担当者が会員向けの毎月の議事録を作成し、欠席者も含め全員に毎月添付して情報を共有しています。

 また、全国各地から同人誌をご恵送くださる、他サークル、創作同人グループの
 みなさま、いつも皆で回覧し学ばせていただいています。ありがとうございます。
 今後とも、童話サークルわらしべを、どうぞよろしくお願いいたします。

                                                     
                                                                           (担当:藤谷クミコ)