2016年7月29日金曜日

だんでらいおん



あちらこちらで、セミと子どもたちの声がにぎやかに夏を盛り上げています。

7月23日、協会の事務局をお借りしてだんでらいおん定例合評会を行いました。
今回の参加人数は6名。12時半から間に少し休憩を入れて5時までと、夏に負けないくらい熱い合評会となりました。中学生を主人公にした長編、幼年向けの短編、続きが読みたくなる短編、木の実の視点から紡いだ物語、童話展出展作品、そして、だんでらいおん初の詩。各自、思い思いの作品を発表し、感想を述べあいました。
 会員のひとりがよく口にする「ほめ殺しにならないように」という言葉通り、時には厳しいアドバイスもあります。でも、そのアドバイスこそが作品をよりよくしていく糧になることを、皆、今までの合評会を通じて学ぶことができました。生まれたての作品がどのように成長していくか……いつの日か、だんでらいおんから巣立って広い世界へ羽ばたいて欲しいです。

今回、参加人数6名と書きましたが、そのうちの1名が体験入会者でした。だんでらいおん初の詩を披露してくれた方です。だんでらいおんでは、体験入会の方も作品を持参して頂き、合評会に参加して頂くこととなっております。
 そして、この度合評会に参加して頂いた結果、正式に入会をしてくださることとなりました。私をはじめ、だんでらいおん会員全員が、新メンバー加入を大変喜んでおります。だんでらいおんに新しい風がふきました。

最後に、会員の近況報告とお知らせです。

まず、わたなべちとせさんから。
2016年8月10日(水)~21日(日)
THE LIBRARY 2016   -Exhibition of the book  Art-  本の展覧会」
に出展されます。こちらは、先月開催された『書きおろし童話展』に出品した作品を仕立てての参加です。
場所は、TOKI Art Space
150-0001東京都渋谷区神宮前3-42-5 
サイオンビル1F   Tel/Fax 03-3479-0332


東京メトロ銀座線外苑前駅3番出口より徒歩5分
東京メトロ各線表参道駅A2出口より徒歩10分
JR原宿駅より徒歩15分、千駄ヶ谷駅より徒歩12分

2016年9月9日(金)~9月16日(金)
東京都美術館で開催される<2016年 美術の祭典 東京展>の『絵本の部屋』に同じ作品で参加します。こちらは200点以上の手作り絵本や原画が集まります。他に、この展覧会は様々なジャンルの美術作品(油絵、立体、コミック、アートなど)が集まるので見応えがあります。


嘉瀬陽介さんから。
『児童文芸』2016  67号 特集 スポーツ大集合!の創作コーナーに、
「雨の引退試合」という作品が掲載されています。野球少年の姿が生き生きと書かれた、胸の熱くなる物語です。

また、私事ですが、この度日本児童文学者協会とポプラ社との共同企画「あなたのとなりにある不思議」シリーズに作品を採用して頂けることとなりました。(タイトル「記憶のクリーニング社」)

いつもだんでらいおんのブログを読んでくださりありがとうございます。

次回のだんでらいん合評会は11月19日(土)12時~協会事務局で行います。

                        (よねむら けいこ)






2016年7月25日月曜日

とんとんぼっこ

カープの黒田が200勝を決めた7月23日、とんとんぼっこの合評会でした。
今回、提出された原稿5編中、2編は公募に向けての作品でした。内一編は某公募(仮に公募先Aとします)への応募に向けて書かれたもの。この作品には、合評者6名中、5名までが大絶賛でした。
ところが、最後のひとりが異を唱えました。
「この作品をAに出してはダメなんです!」
テーブルをひっくり返すような意見に、一同、唖然……。
彼の意見によると、この作品は確かに、完成度が高い。よく書けている。公募先A向けである。
だからこそ、そこに出してはいけない。
向いているということは、これまで、繰り返し繰り返し、応募者にテーマとして取り上げられてきた題材であるということ。そういう題材で歴史ある公募を突破するのはむずかしい。
それは一同を、大いにうならせる意見でした。
公募を勝ち抜くには、完成度の高さはもとより…いや、むしろ、斬新なアイデアがより必要である場合があるかもしれません。

美しくセッティングされたテーブルをひっくり返すような意見がでて、ひっくり返ったテーブルをおもしろがる人がいたり、テーブルを海に浮かべて漕ぎ出す人がいたり、やっぱりテーブルはテーブルとして、きちんと整頓し直す人がいたり……。
合評は真剣勝負。時に火花が散る場面もあり。そして、感じたままの真摯な意見をもらえる貴重な場であると、あらためて感じられた時間でした。

せみの音がワシャワシャ響き渡るこの時期、広島は熱いです。
カープ、そして近づく「あの日」。熱狂と鎮魂。
広島在住の児童文学作家・中澤晶子さんが著書『3+6の夏』(汐文社)のあとがきに、こう書かれています。
「それこそ数えきれないほどの慰霊碑が、原爆で殺されたひとびとを悼んで、ひっそりとたたずんでいます。(略)いつもは目立たないそれらの碑にも、夏が近づくとだれかが花を手向けています。わたしたちは、「あの日」から姿の見えなくなった、たくさんの子どもたちに、街角でばったり出合ったかのように、小さく息をのんで目礼し、再び炎天下の道を歩いていくのです。」
ここにいて、何を書くか。毎年この時期になると、ふと頭をよぎる問い。とんとんぼっこのみんなと考えていきたいと思います。

次回のとんとんぼっこは10月22日(土)13時より。 広島市まちづくり市民交流プラザで。

                              
                             (巣山ひろみ)




2016年7月22日金曜日

わらしべ

【わらしべ通信 NO.42】
7月17日(日)
定例会の出席者は17名、欠席者3名。
顧問の沢田俊子先生もご出席いただいての合評会が始まりました。
そして見学者の方が2名! 嬉しいことに2名とも入会されました。
新しいメンバーが増え、合評会でも今までと違った感想を聞かせてもらえそうです。

まずは創作の訓練としてチャレンジしている原稿用紙1枚童話。速読後の合評です。
私の作品だったのですが、一枚に収めるために幼年にあわない漢字を使ってしまいました。
伝えたいことを絞って書く。まだ不必要な部分が残っていると気付かせて頂きました。

つぎは、低学年向きのお話しです。
主人公の女の子が生き生きと活躍する、テンポの良い楽しい作品でした。
一番大事なのは出だし。キーマンの登場は、突然ではなく布石をしておくことも、
重要なポイントです。

3作品目は、高学年以上向きで原稿用紙119枚の大作です。
景色の描写を、とても美しく書かれる作者。独特の雰囲気が感じられます。
ファンタジーは、誰も書かなかったこと、体験できないことを読むことで楽しめるもの。小さなエピソードを並べるだけでなく、物語全体で伝えたい大きな動きが必要。
葛藤、主人公の設定などたくさんのことを学びました。

最後は、作者が最近、旅をしたときのエピソードを盛り込んだ物語。
記憶が鮮明なうちに書くことは、とても大事。でも旅行記になってしまってはいけない。
子どもたちに伝えたいことがあるなら、その地域の子どもを登場させる。その国の歴史を知っておくなど、納得する意見が聞けました。

日々アンテナを立てて、書くための「きっかけ」をキャッチしたいです。

                     (担当: つじ まり)