【わらしべ通信NO.145】
6月15日(日)くもり
わたしはカーテンのカー。駅近の中央公民館、会議室の奥の窓、左側につり下がっているのが、私。右側は双子の弟、テン。ここが私たちの住居兼仕事場なの。
今日は「わらしべ」っていう童話サークルの定例会がある日。あ、来たわ。1人2人、3人4人……12人ね。
雨がやんでいるから、窓を開けられて良かったわ。さぁーーっと涼しい風が入るもの。
わらしべはまあまあ平均年齢が高めだから熱中症に気をつけなくちゃいけないのよ。
みんな無理せずがんばって。
合評は4作品。
それぞれ作者の個性がよく出ている、オリジナリティ満点の作品たちだったわ。
どうしてカーテンに作者の個性が分かるかって?
わらしべはもうかれこれ10年くらいこのお部屋を使ってくれているの。
だから、私たちカーテンもわらしべメンバーには詳しいのよ。
読者がどこで作者のひっかけに気づくか、トリック的な作品が続いたと思ったら、ウィットにとんだ会話劇ではキーワードが二重の意味になっていて、最後の1作は作者の思いが読者の心に迫る作品!
「本当にわらしべの作品って奥が深いのねえ」って感心しちゃったわ。
ねえ、テンもそう思うでしょ。
テン!聞いてる?!
あんた今日の内容、むずかしくて分からないかったんでしょ!
テンってば!
ぼくはカーテンのテン。
姉ちゃんは口うるさい。こういう時は言ってやるんだ。
えーと、今日の議事録はこの人で、ブログはあの人、来月の欠席者はひとりだな……って。
すると姉ちゃんは黙る。
そう、ぼくたちは同じなようで同じでない。部屋の左端に寄せられている姉ちゃんは、左側の壁にあるホワイトボードが見えないんだ。
今月決まった事柄、来月の作品の提出者、ホワイトボードが良く見えるぼくのほうが、わらしべのことをよく知ってるってわけだ。
ふん、分かったら黙ってあっちいけ!
来るな!
近づくな!
寄るなって言ってるだろ!!
ザザーーーッ。
あー、なんでー。
どうしてみんな部屋を出るときカーテンを閉めちゃうんだよぉぉ。
【カーテンを閉めるのは規則だからです。わらしべより】
(はぎわらゆか)
《会員のニュース》
藤谷クミコ 神戸新聞「おはなしの森」コーナーに(6/1・8・15)
「もうすぐプール開き」掲載