2025年6月19日木曜日

童話サークルわらしべ

 【わらしべ通信NO.145

 

615日(日)くもり

 

わたしはカーテンのカー。駅近の中央公民館、会議室の奥の窓、左側につり下がっているのが、私。右側は双子の弟、テン。ここが私たちの住居兼仕事場なの。

 

今日は「わらしべ」っていう童話サークルの定例会がある日。あ、来たわ。1人2人、3人4人……12人ね。

雨がやんでいるから、窓を開けられて良かったわ。さぁーーっと涼しい風が入るもの。

わらしべはまあまあ平均年齢が高めだから熱中症に気をつけなくちゃいけないのよ。

みんな無理せずがんばって。

 

合評は4作品。

それぞれ作者の個性がよく出ている、オリジナリティ満点の作品たちだったわ。

どうしてカーテンに作者の個性が分かるかって?

わらしべはもうかれこれ10年くらいこのお部屋を使ってくれているの。

だから、私たちカーテンもわらしべメンバーには詳しいのよ。

 

読者がどこで作者のひっかけに気づくか、トリック的な作品が続いたと思ったら、ウィットにとんだ会話劇ではキーワードが二重の意味になっていて、最後の1作は作者の思いが読者の心に迫る作品!

「本当にわらしべの作品って奥が深いのねえ」って感心しちゃったわ。

ねえ、テンもそう思うでしょ。

テン!聞いてる?! 

あんた今日の内容、むずかしくて分からないかったんでしょ!

テンってば!

 

 

ぼくはカーテンのテン。

姉ちゃんは口うるさい。こういう時は言ってやるんだ。

えーと、今日の議事録はこの人で、ブログはあの人、来月の欠席者はひとりだな……って。

すると姉ちゃんは黙る。

そう、ぼくたちは同じなようで同じでない。部屋の左端に寄せられている姉ちゃんは、左側の壁にあるホワイトボードが見えないんだ。

今月決まった事柄、来月の作品の提出者、ホワイトボードが良く見えるぼくのほうが、わらしべのことをよく知ってるってわけだ。

ふん、分かったら黙ってあっちいけ!

来るな!

近づくな!

寄るなって言ってるだろ!!

ザザーーーッ。

あー、なんでー。

どうしてみんな部屋を出るときカーテンを閉めちゃうんだよぉぉ。

 

 

【カーテンを閉めるのは規則だからです。わらしべより】

 

(はぎわらゆか)

 

《会員のニュース》

藤谷クミコ  神戸新聞「おはなしの森」コーナーに(6/1815

「もうすぐプール開き」掲載












2025年6月2日月曜日

近江ペンの会

 近江ペンの会

 

2025524()

出席者 大塚先生と会員9名、非会員5

 

 今回は、国松俊英先生をお迎えして『ノンフィクション児童文学をどう書くか』というテーマで講演をしていただきました。

 国松先生のお話を聞ける貴重な機会、会員以外の方も参加してくださり、とても良い講演会になりました。

1. ノンフィクション児童文学とは

2. ノンフィクション児童文学にはどんなものがあるか

3. ノンフィクション作品を書いていく手順

上記の3つの項目にそって、良い題材の見つけ方、資料を集めて調べる方法、取材・調査の進め方、資料を整理して作品の設計図を作る。そして、原稿を書くまでを先生の体験を交えて、具体的にお話ししていただきました。

作品の面白さを決める良い題材を見つけるには、自分の興味のある分野に関して、常にアンテナを張り、情報収集することが重要だと話されました。また、題材を決め、資料を集め、実際に人に会って取材するまでの流れ、取材の進め方は、自分が経験したことがないこともあり、とても興味深く、勉強になりました。取材相手との実際にあったトラブルの話等、驚くようなこともお聞きしました。

和やかに始まった講演会でしたが、皆、真剣に聞き入り、ノンフィクション児童文学について、より深く考えるとともに、新たな視野を得る機会になりました。

 

足元の悪い中、お越しくださった国松先生、このような会をもうけてくださった大塚先生に深く感謝いたします。

                                (江崎容子)





2025年5月27日火曜日

童話サークルわらしべ

 【わらしべ通信NO.144

518日 くもり

 

ぼくはホワイトボード。駅近の中央公民館の会議室が、ぼくの住居兼仕事場さ。今日は「わらしべ」っていう童話サークルの定例会がある日なんだ。あ、来た来た。1人2人、3人4人……続々とやって来るぞ。月1回のこの集まりを、みんな、楽しみにしているんだね。そうそう、毎回おやつを配ってくれる奇特な人もいるんだよ。

代表がぼくの前に立った。今日やることや欠席者、来月以降の作品提出者の名前を書いていく。ん? 総会? あ、そうか、今日は年に1回の総会の日なんだ。

時間になって、定例会がはじまった。まずは総会から。資料に沿って令和6年度の活動内容や決算などを報告し、今年度の会計予算・活動計画を発表していく。拍手があって、異議なく了承された。毎年こうして活動の詳細をきちんと書面にして残しておくって、大事なことなんだろうなあ。

総会のあとは合評だ。今回は3作品。魔法やら野球やらが出てきて、それぞれ個性的でおもしろかったよ。ホワイトボードがどうして原稿の内容を知っているんだって? そこはツッコむところじゃないよ(笑)。それはさておき、今回もそれぞれの作品に対していろんな意見が出たね。なかでも、とくに印象に残っているのが「噛み応えのある本」って言葉。抽象的な表現なだけに各人さまざまな捉え方があるだろうけど、物語を書く上でヒントになりそうな言葉だよなあ。それと合わせて、「個性」ってことについても考えさせられちゃった。そして、誰に向けて書いているかってことも。言葉ひとつ取っても、そこを意識しないとね。なんか、えらそうなこと言っちゃったけど、ホワイトボードの独り言だと思って聞き流してよね。

4時を少し回ったところで5月の定例会は無事終わり、本日のぼくの仕事も終了。テーブルと椅子を片付けて、ぼくをきれいにして、みんなはおしゃべりしながら部屋をあとにした。そうしてぼくは、静まり返った会議室でひとり物思いにふけったり、カーテンの隙間から見える宇宙に思いを巡らせたりして、いつの間にか、眠りについたのさ。

                                   なかい

 

《会員のニュース》

山下みゆき 『直紀とふしぎな庭』(静山社)が、JBBYの「おすすめ!日本と世界の子どもの本 2025」に選定





2025年4月28日月曜日

みらくるぺん

 みらくるぺん

2025422日 14001700

オンラインzoom

出席 6名  欠席 1

 

 新生活の慌ただしさがひと段落して、春日和が続く中でのオンライン合評会となりました。

 今回は絵本テキスト1編、短編4編です。

提出作品は、子ども心を弾ませる新鮮な発想のファンタジックな絵本テキスト、スポーツを素材とした友情短編、あっという間に読めて、どんでん返しや結末に工夫がうかがえる「意外な結末」の公募を目指したものでした。

 合評は、前もって全員が各作品の感想データを共有していて、先ず作者からのひとことで始まります。創作の意図や執筆上の悩みなどの問いかけがあり、それを受けて参加者が自由に意見を述べ合います。いろんな角度からの意見が出てくるのが合評の良さで、たくさんの気づきを互いに得ることができました。

昨年はある公募に全員チャレンジという目標を立て、年間通して合評や講師をお招きしての勉強会を持ち、仲間の作品が選考に残っていくうれしい結果を得て励まされました。今年度も各自が具体的に目標を持って創作していく年間スケジュールを考え、創作のモチベーションアップにつなげるサークル方針を確認し合いました。

 次回は624日(火)1400~ オンラインzoom合評会。公募予定の作品提出。

 

 【会員ニュース】

・こうまる みづほ……411FM滋賀の番組「DIVER」でMCのムーディ勝山氏と『おてがみほしいぞ』について対談。

・すず きみえ……『1話10分裏切文庫』(日本児童文芸家協会編 新星出版社)に「推し色と歴史新聞」を掲載。 

                             (小郷文子)





2025年4月27日日曜日

童話サークルわらしべ

 【わらしべ通信NO.143

 童話サークルわらしべ

2025420()13:0016:20

参加者13名、欠席2名 晴れ

 

 4月の陽気としては暑いくらいの一日でした。今年の関西の入学式は葉桜が多かったかもしれません。

今回の定例会では、メンバーの新人賞受賞、文芸誌への掲載報告を受け、今後の作品創りへの意欲を新たにしました。試みとして、作品の共通テーマ(お題)を設定するなど、工夫している最中です。合評作品数は3作で、幼年、低学年、高学年、とさまざまな作品が集まりました。対象グレードにあわせて、主人公を誰に設定するのが効果的か、キャラクターや展開の絞り込み、伝わりやすい世界観の描写など、いろいろな意見が交わされました。

特に、動物の擬人化については、リアルな動物特性との兼ね合い、動物に置きかえる意味、読み手の年代ごとの工夫、過去の名作のメジャー手法でも現代に通用するのか、など、むずかしさが浮き彫りになりました。今後の継続課題として、作品創りを通してトライしたいです。

 

次回の定例会は、5月18日(日)の予定です。

                               (森木 林)

《会員のニュース》

・『第54回 児童文芸家協会新人賞受賞』  「直紀とふしぎな庭」 山下みゆき





2025年3月28日金曜日

近江ペンの会

 近江ペンの会

令和7年3月22日(土)
参加者 先生と会員7名

 寒さの厳しい湖北の街にもやっと春が近づいて来たかな?と思わせる暖かな一日になりました
近江ペンの会作品集「四角いたまご」5号に向けていよいよ最終段階になってきました
今回は掲載作品9作が提出されている中で、今日出席の会員の作品を合評しました
1都会の団地に住む5年生の男の子を描いた作品 三人それぞれのキャラクターが丁寧に描かれている。何回も書き直されて素敵な作品に仕上がった。タイトルもぴったり。
2かっこいいおじいちゃんにあこがれて楽器を始める孫の成長を描かれた作品。タイトルに苦戦されている。
3昔話のその後をパロデイ化したお話。
4幼児の靴を主人公にした可愛い詩のようなお話。
5飼い猫の目線の日常が楽しい作品。
6毎回里山の自然描写が得意な彼女の作品は一貫していて素晴らしい。
7母子家庭の6年生男子、キャリアウーマンの母に何とか自分を認めてもらいたくてプレゼンを工夫する姿が面白く、令和の時代にありそうな家庭環境を想定されているのは、さすが若い感性と思った。
先生からのアドバイスは、タイトルを工夫すること、小学校で習わない漢字はひらがなにすること等。
作品集の完成にはまだ少し時間がかかりそうですが、久しぶりに出席した高齢の私も皆さんに元気を頂きちょっと長生きできそう!
次回の定例会は5月24日です               (まさゑばあちゃん)




2025年3月25日火曜日

童話サークルわらしべ

 【わらしべ通信NO.142

 

2025316日(日)

参加者9、見学1、欠席5名。

 

冷たい雨が降る中、見学の方を1名迎えての定例会となりました。「入会してもらえるかなあ…」とそわそわしつつ、メンバー全員が自己紹介をしてスタートしました。今月の合評作品はふたつです。

まずは、高学年向けの作品でした。

 

・書き直したことで、以前の原稿にあったおもしろさが消えているかもしれない。

・高学年向けの短編ならば、主人公が抱えている問題がきれいに解決しないほうが、リアルでより納得できることもあるのではないか。

・もっと書きこんだほうがいいシーンがいくつかある。

 

書き直しの難しさが話題になり、人の意見を聞いて悩まれるのは、いつも細やかに気配りされる作者のやさしい人柄ゆえではないかということで、様々な助言が飛び出し、たいへんに盛り上がりました。

引き続き、低学年向けの作品です(私の作品でした…)。

 

・一番盛り上がるところが、真ん中にきてしまっていて全体のバランスが悪い。

・終わりのおまけみたいなところは、なくてもいいのでは?

・いや、おまけのところは、あったほうがいい。

 

真逆の意見が出たところは、「どっちがいいと思うか挙手してください~」ということで、手を挙げてもらいました。参考にして調整したいです。

 

そして、見学の方はなんと、入会されることになりました!

う・れ・し・い。

わらしべメンバーは今月から、14名から15名になりました。来月の定例会もたのしみです。

 

 

(山下みゆき)







 

2025年3月5日水曜日

みらくるぺん

 みらくるぺん

2025225日 14001700

オンラインzoom

出席 7名  欠席 0


 冬休みを経て今年初めての合評会です。外は厳しい寒さが続いていますが、オンラインで繋げば、暖かい部屋がそのまま合評会場になります。


 今回は幼年4作、中学年1作、絵本テキスト1作の合計6作です。

作品は、動物もの、日常に不思議ないきものが登場するもの、擬人化した視点から描いたもの、生活童話などがありました。どれも、主人公が抱えた問題をいかに解決していくか、ストーリーにそれぞれの工夫がこらされていました。

 合評は、先ず作者からの問いかけで始まります。例えば、構想中に思い悩んだことや書くのに迷った部分を、メンバーはどのように読み取るのか。また、ストーリーをうまく運ぶのにもっといい方法はないのか、リアリティーはあるか、など様々です。

 作者からの問いに、ひとりが答えると、それを受けた次の人がほかの視点から思いついたことを答え、また次の人の発言で深められたりします。瞬時の思い付きやひらめきの連鎖はメンバーの大きな力になり、合評会でこそ味わえる快感です。アドバイスで文章の過不足にハッと気付くのも合評の有難さです。

 

 合評後、2025年度に目指すもの、それに伴う例会の予定日を検討しました。

 次回:422日(火)1400~ オンラインzoom


 【会員ニュース】

 赤木きよみ 神戸新聞日曜版2月に、「コタツ、ぬくぬく」を3回連載 

                

                                  (鬼村テコ)






2025年3月2日日曜日

童話サークルわらしべ

 【わらしべ通信NO.141】 

2月の寒空のもと、わらしべ合評会を行いました。

 

皆さんは、冬といえば何を思い出しますか?

わたしは「灯油の匂い」です。

危ないヤツ……ではありません!

この匂いを嗅ぐと、石油ストーブの前で、シュンシュンとわくヤカンの音をBGMにまどろんでいた子どもの頃を思い出して、じわんと鼻の奥が暖かくなるのです。

 

さて、2月の合評作品は3作でした。

1作目は大人が主人公の、ほっこり日常のお話。描写が上手くて、鮮やかな物語が浮かび上がります。大人が主人公の児童文学はたくさんありますが、今回は大人向けの童話作品なのか、子どもに向けて出版をも目指す作品にするのか、作者は思わぬ岐路に立たされることになりました。

 

2作目は天皇について語り合う祖父と孫のお話。

このテーマを取り上げよう!と思いつくのがまずすごい!歴史背景についても触れられていて、知らない知識を得られておもしろかったです。まだまだ作者は書きたいことがたくさんあるようなので、ぜひ続きを書いて欲しいなと思います。

 

3作目はある言葉をキッカケに、小学生の主人公に自主性が育つ様子を描いた作品です。その言葉自体が持つイメージについて意見が分かれました。

教訓的でなく自然に、自主性について主人公の心の動きが見えるのが、長く教育現場に携わってきた作者だからこそという、さすがの観点でした。

 

わらしべには創作としての経験はもちろん、人生経験豊富な方々がたくさんおられ、色んな視点に触れられるのが毎回楽しいです。サークルの皆さんのエネルギーと優しさによって、何とかこの世界に踏みとどまっています。

 

さらに定例会後の有志のお茶会でも、ぶっちゃけ話を色々と聞くことができて、楽しませていただきました。

あらためて、「わらしべっていいな」と感じた1日でした。

(桧室若葉)





 

2025年2月3日月曜日

近江ペンの会

 近江ペンの会

2025年1月25日(土)13時30分から16時過ぎまで

出席者:大塚篤子先生を含めて8名


 暦は大寒というのに雪のない日差しの暖かい日となりました。この暖かさのお陰か1年ぶりにご参加してくださった方もあり少し賑やかな例会となりました。国宝を預かるところにお勤めなので、国宝修復のあれこれを面白くご解説いただき、楽しい1年のスタートでした。一度みんなでお参りに行きたいですね!


 今日は、近江ペンの会の作品集「四角いたまご」5号について原稿の提出方法や日程の確認と4作品の合評をしました。

1.淡い娘心が感じられる作品、作者さんの優しさか感じられます。登場人物像をしっかりと書くと良いとのことでした。

2.私からすればもう出来上がっていると思われる作品でした。題名を考え直そうとのこと。

  少しだけの登場でしたが、お母さんがいい感じでお友だちになりたいと思いました。

3.こちらも出来上がっていると思われる作品でした。孫と祖父の関係がとてもよく、孫からこんなに慕われるじいちゃんっていいなあ、私も孫に慕われるようなばあちゃんになりたいなあと思いました。

4.何度も書き直されて、その努力に頭が下がります。自然の様子を描きながらハプニングも交えて、面白く読み進められる作品になりました。


 私はいつまでたっても作品が書けず、皆さんの作品を読むことが楽しみです。次の作品集には私の作品も載せたいとのことで、何とかせねばと思っています。あっという間に過ぎてしまった1月。2月に逃げられないようにしたいです。

 2月は雪の心配があるので、次の例会は3月22日(土)です。

                      ふーちゃんより





2025年1月22日水曜日

童話サークルわらしべ

【わらしべ通信NO.140】 

 

2025119()晴れ

 

 私はいつも阪神電車と阪急電車を乗り継いで、わらしべ会場に向かいます。まず阪神線の駅で待っていると、ラッキー! 希少な引退間近の青胴車がやってきました。写真を撮っている人もちらほら。レトロな普通電車ならではの色合い。子どもの頃から馴染みの大好きな電車です。ちなみに、急行として走っていた赤胴車は4年前、一足先に引退済みです。

 乗り換える阪急電車は、昔から全車両マルーンカラー。西宮北口で降りると周辺は年末の賑わいから一転、落ち着いた雰囲気に包まれていました。

 

 さて、今年初のわらしべ定例会は、11人が元気に顔を合わせ、和やかにご挨拶、情報交換などして始まりました。合評作品は、新年に相応しい色とりどりの4作品です。

 

「音」がベースになっている絵本テキストは、わかりにくいと言われつつも、色彩豊かなロマンを掻き立てられました。高学年向けの寓話的作品は、随所から哲学メッセージが感じられ、主人公が生きていく様にリアル社会が重なり、心動かされたとの声が続出しました。

続いてファンタジー作品その1…小さい子どもの特性を題材に、特殊な会話が面白さを引き立てていました。その2…魔法が出てくるお話は、世界観がくっきり構築されていて、引き込まれました。

作者の意図しない読後感や、作者は気づいていない表現の問題、視点のねじれなど、合評されることで作者が知る機会を得られるのは、合評会の有難さなのだと今回も思いました。 

 冬の日差しが差し込む午後の教室から、みんなの想像した様々な世界が膨らんて飛び出して行くような、濃い時間でした。

 終了後、私は所用があり日が暮れてから帰路に。阪神線乗り換えの駅にやってきた普通電車は、新型車両の5700系。扉が開いて、「ちょい乗りシート」に腰掛けて帰りました。
 いざさらば青胴車よ!   (藤谷クミコ)

 

 

【会員ニュース】

萩原弓佳 『逃げた王子と17人の捜索隊』(新星出版社)220日発売

萩原弓佳  日本児童文芸2024-2025冬号特集 児童文学塾・エンタメ入門 掲載

【創作方法論 私のエンタメアプローチ術④】感動する物語を書いて、と言われたら

 







2024年12月24日火曜日

童話サークルわらしべ

 【わらしべ通信NO.139】 

 

20241215()14:0017:00

参加者13名、欠席1名 晴れ

 

 本年のラスト満月の日に、定例会と忘年会を迎えることができました。

今回の定例会では、児童文芸誌に掲載予定作品の推敲状況、「わらしべ5号」について掲載された児童文学910月号同人誌評欄の報告、会員の新著と出版情報の紹介等がありました。(同人誌評欄では、前4号に引き続き会員作品を推薦作に選んで頂きました。)

 

 合評作品は高学年向けのファンタジー3作でした。それぞれの作品世界の素材をどう活かすか、魅力的な展開のための刈り込みポイントなど、多様な意見が出ました。

 作品の雰囲気から受ける流れに沿うか、あえて予定調和を外すか、素材の入れ替えによる展開の膨らませ方など、あくまでラストは作者が決める前提で、バリエーションの多彩さを楽しみました。YAも視野に、作品にどこまでシビア要素を光らせるかも、これからの創作要素になりそうです。

 合評中に思わぬ方向へ作品が飛んで行ったりするお互いの感性の違いが、合評の醍醐味であることを毎回学んでいます。

 

 慌ただしかった一年の終わりに、楽しい忘年会を迎えられたことも有り難かったです。

局所的な穏やかさがさらに広がることを祈りつつ、作品づくりの原動力に変えていきたいと思います。皆さまどうぞ良いお年をお迎えください。(森木 林)

 

【会員ニュース】

井上林子 保育絵本「おはなしひかりのくに」12月号 グリム童話『こびとの くつや』

(文・井上林子 絵・いりやまさとし ひかりのくに)

 

山下みゆき『直紀とひみつの鏡池』(静山社)1219日発売







 

2024年11月25日月曜日

近江ペンの会

 近江ペンの会 

2024年11月23日(土)
出席者:6名
 
  急に冬が近づいて来て「寒いね~」の挨拶で始まりました。
今回は、近江ペンの会の作品集「四角いたまご」5号の確認、と、提出作品の中から4作品の合評をしました。
 すべて書き直しの作品です。
 
①幼年童話はグループ内では書く人が少なく、かわいらしい目線に、気持ちがほっこりしま  
す。ついつい笑顔になります。
 
②書く度に文章の流れがよくなっている作品、これは「いい文章は流れが自然で引っかからな
い」と、読者が期待をもって読める作品でした。
 
③緻密に描かれている部分に対して、最後があっさりしすぎるのでは?と、バランスについて
問われた作品もありました。
 
④作者だけがわかっていて、読者には伝わらない残念な作品もあります(自分です)。
無理に説明せずに、会話や行動から想像できることが望ましく、重要性の無い部分は省き、
文章にリズムを持たせ、テンポがある作品にすることと、作品を提出するたびに言われてい
るのですが……
 
 時間いっぱい、作品について、表現のしかたについて話し合い、差し入れのお菓子を食べながら、楽しく濃密な時間を過ごしました。なかなかみんなが集まることは難しいけれど、『書くこと』についての思いを交換できる、貴重なひとときです。次回は1月23日(土)に集まりましょう!              
 
(淡海 かよ)




2024年11月21日木曜日

童話サークルわらしべ

 【わらしべ通信NO.138】 

 

1117日、日曜日。西宮市の会場で「わらしべ定例会」がありました。みなさんコートやジャケットを脱ぎ捨てての合評スタート! 意見が活発になって盛り上がり熱を帯びるから? いえいえ、季節外れの温かさです。11月後半なのに気温が22度だとか。大丈夫なのか、地球!

参加者は12名。欠席者は2名です。わたしが持参したお土産の「きび団子」が12個入りだと会場で気づきドキッとしましたが、ちょうどでした。良かった。

まずはメンバーが出版された詩集を配ってくださいました。やわらかい表紙の絵からも、作者の雰囲気が出ているようで。ゆっくり読ませて頂こうと思っています。

合評は4作品。先月の予定では2作品しかなくて少し寂しいと思っていたら、こんな時に必ず出してくださる会員の方からの作品が送られてきました。そして当日に持参された速読作品も加わり4作品になりました。

そのうち3作は、創作童話の短編募集に向けて書かれたものでした。

短い文章の中に起承転結を付ける難しさ。登場人物の絞り方など、たくさんの意見が飛び交いました。もう1作は、自然現象をファンタジーに置き換えた作品でした。低学年でどこまで理解できるかも話題に上がりましたが「魅力的すぎる登場人物は主人公を曇らせてしまう」の意見に気付きがありました。たしかに~。童話を創作するって、本当に奥が深いですね。

(つじ まり)

 




2024年10月27日日曜日

童話サークルわらしべ

 【わらしべ通信NO.137】 

 

急に肌寒くなった10月第3週の日曜日、西宮市の会場でわらしべ定例会が開催されました。参加者はいつもより随分少なめの8名です。

まず合評の前に、会員の公募受賞作品が掲載された真新しい本がお披露目されました。素敵なイラストもふんだんに使われていて、「いいな~」というため息と、この公募に挑戦したいという声がちらほら聞こえてきました。

 

合評は4作品でした。

・1作目はユニークなキャラクターの言い分に、思わず耳を傾けたくなる高学年向きの作品でした。解決の仕方が大人びすぎているのではないか、読者対象を下げたらいいのではないか等の意見が出ました。またこのキャラクターなりの幸せな結末についても議論をしました。

・2作目はゲーム的な要素を取り入れながら、大切なことを伝えようとする低学年向きの作品でした。ワクワクする展開なのですが、アイテムが多くてやや複雑です。話し合っているうちにもっと単純にするアイデアが生まれて、一同盛り上がりました。負の感情から繰り広げられて行くテーマについては、このままでも充分伝わってくるのですが、もっとしっくりする書き方を作者は探しているようでした。

・3作目はある確執がきっかけで主人公が子どもなりの大冒険をする中学年向きの作品でした。わらしべの会員にとってなじみのある場所が描かれているので、親しみをもって読めたという意見が多く出ました。また主人公が憧れる歴史的英雄の扱い方にも助言がありました。

・4作目は魔法使いが登場する低学年向きの作品です。魔法のかけ方がとてもユニークで作品を可愛らしいものにしています。主人公のラストの願いが分かりにくい、途中の部分は別の物語にしたほうがいいのではないか等の意見がありました。「明日が来てもいいよと思わせたい」という作者の言葉が印象的でした。

 

 定例会が終わって時計を見たら、いつもより少々オーバーしていました。参加者が少なくても熱い合評が出来た証ですね。

今日の作品はどんな風に育っていくのかな。一番始めの読者になれて幸せな時間でした。

(きくち しづ)

 

【会員ニュース】

  山下みゆき 朝日小学生新聞にて

「遠い山の見える庭3」連載中 12月末まで





    

2024年9月28日土曜日

みらくるぺん

 みらくるぺん

2024923日(月・振替休日)13001700

講師に宮下恵茉先生をお招きしての勉強会

会場 クロスパル高槻

出席8名 欠席なし

 

 

ようやく涼しくなり始めた秋の日、講師に宮下恵茉先生をお迎えして勉強会を開きました。

今回は誰ひとり欠けることなく8名全員が出席できました。しかも、全員が作品を提出。

短編2作、長編6作の計8作です。

 

講師先生からは、的確かつ愛情あふれるご指摘をたくさんいただきました。

長編も多く、膨大な量でしたのに、ひとつひとつの作品を細部に至るまで丁寧に読みこんでくださったことには、感謝の気持ちしかありません。

指摘されたどれもが、なるほどと心にすとんと落ちるものでした。

無駄にしないよう書き直し、いい作品に仕上げたいと、その場にいた全員が思ったにちがいありません。

 

終了後は30分ほど茶話会を持ちました。

先生に対しては、「精力的に作品を発表し、その中で多くの趣味も楽しみ、毎日一体どんな時間の使い方をしてるんですか?」という素朴な疑問も飛び出しました。わたしも不思議です。

 

次回の合評会は来年の2月の予定です。しばらく日が空きます。

まだまだ先だからと、ここでほっとしているようではいけませんね。

次回も作品を提出できるよう、日々を大切に過ごしたいと思います。

 

                                 (橋永純子)