2014年6月18日水曜日

童話サークル わらしべ


《お知らせ》
 童話サークルわらしべでは、以前より会場その他の都合で、見学、新入会の受付を見合わせておりました。諸般の事情により今年度総会にて、規約の一部を改正し、定員を定めまして、空きがあれば見学を受け付けることに致しました。
                                                                                                       (藤谷クミコ)

【わらしべ通信 №17】
  6月15日、晴天。
今月のわらしべは、嬉しいニュースから始まりました。朝日新聞に掲載された「わらしべ創刊号」完成の記事を読まれて、冊子購入の希望がありました。お孫さんのために童話を読んであげたいということでした。ひとりでも多くの方々に楽しんで頂けると、私たちわらしべメンバーも大変嬉しいです!
 さらに新入会員もひとり増えて、ますます元気なわらしべです!

さて、今日の合評は四編。
 ちょっと大人向けの奇想天外な作品に、スケールが大きな詩的な作品、女の子の心の機微を描いたファンタジー作品に、思わず微笑んでしまう幼年向け作品。様々な意見が飛び交い、合評時間がずれ込んでもヒートアップし、とても濃い時間でした。そんな中浮かび上がったことが……。

 ファンタジー作品は、細部や設定、生態系、つじつまをリアルに描かなければいけませんが、そればかりを気にしていると、現実に引き戻されてお話が楽しめないのでは? リアルさも大切ですが、お話の楽しさを忘れてはいけない。
どこまでリアルさを貫くか、みんなで悩み話し合いました。

また、幼年向け作品に、細かい説明やリアルな表現を、どこまで書いていいのかということも話題になりました。例えば環境問題のような難しいテーマを幼年向けで描くとしたら(本来、高学年向きのテーマでしょうが)オブラートに包んで、子どもがわかる物語にすれば描けるのでは……、などなど意見が出ました。

 その他、自分の中で物語世界がイメージ出きていても、わかりやすく見えるように書かないと、読者には伝わらない。擬音語、擬態語は、そのものが本当に発する音なのか。登場人物のその感情は、本当にそう感じたものなのか。作者がコントロールした感情ではないか。描写も、感情も、不自然なことは書かない……など身の引き締まる意見満載でした。(新入会の方、驚かないでくださいね)
ここで、わらしべの顧問、沢田俊子先生の「合評心構え」を改めて載せます。

●読み手→「深く、鋭く、暖かく、惜しみなく」
●受け手→「耳を傾ける、が、うのみにしない、必ず書き直す」

そういえば、そろそろ「そよ風コンクール」の締め切りが近いですね。
研究会員のみなさま、チャンスをつかみましょう!
(ちなみに昨年は15編、一昨年は10編の応募だったみたいですね)
※7月31日(必着) 400字10枚以内 
「子どもたちが夢を抱き、元気になる『創作物語』」がんばりましょう!
                                                                                                  (担当:井上林子)

合評は、作品を良くするためのものだとわかっていても、ときには、厳しい意見に傷つくことがあります。
厳しく感じるのは本質を突かれたからで、その意見こそ、書き直すときに役立つのですが、経験が浅いと、一生けんめい書いた作品なので、ほめてもらいたい思いが強いのでしょう。「おじょうずです」と言われても、何の役にも立たないことが、そのうちわかってくると思います。
この日、わたし(沢田)は欠席でしたが、合評が、いつもより白熱したようです。その時、メンバーの一人が、常にわたしが言っている合評の心がまえ読み上げてくれたと聞いています。それが、井上さんの通信に書かれている「合評の心得」です。
一言付け加えれば、合評は作品に対してするもので、作者への批判をするのでは決してありません。
当日、見学者への心づかいも思いやりにあふれていたようで、本人から「いっしょに勉強できる喜び」にあふれたメールがわたしに届きました。
「わらしべ」が、とてもいい勉強会に育っていることを、うれしく思います。                       (わらしべ顧問:沢田俊子)